2007年01月26日

◆中国でテロ未遂事件

                           渡部亮次郎

航空自衛隊OBの軍事評論家佐藤守さんのブログによると、昨年5月、中国海軍が過った振りを装って胡錦濤国家主席の乗ったミサイル駆逐艦に砲弾を撃ち込んだ、という。
http://d.hatena.ne.jp/satoumamoru/20070124

砲弾は胡主席二命中せず、調査の結果は過ちとして処理されたというが、佐藤氏は「過ちに、見せかけた明らかなテロ未遂事件だった」と談じている。

佐藤さんのプロフィール。防衛大航空工学科卒(第7期)。航空自衛隊に入隊。戦闘機パイロット(総飛行時間3800時間)。外務省国連局軍縮室に出向。三沢・松島基地司令、南西航空混成団司令(沖縄)。平成9年退官。軍事評論家。

「軍事評論家佐藤守のブログ」の2007-01-24号は 中国の「テロ未遂事件」として次のように紹介している。

<昨日、私は胡錦濤主席と江沢民前主席間の闘争が激化していて、ついに昨年5月に「暗殺行為」があり失敗したとこのブログに書いたが、夜帰宅すると、FAXが入っていてその根拠になる文が送られてきていた。

さらに不思議なことに、送られてきた「月刊日本」誌にも詳細な記事が出ていた。「謎の死を遂げた海軍司令」と言うタイトルの「月刊中国主幹・鳴霞」氏の文で、ほぼ私と同一の内容だったが、FAXの方は「ニューリーダー」誌の記事で「テロ未遂事件を逆用した胡錦濤主席」と言うタイトルであった。双方の内容は若干異なっていたが、5月1日に「事件」があったことは事実だったと思われる。



この記事では、上海閥の陳良宇政治局員が昨年9月に失脚したこと、同じく上海閥の黄菊政治局常任委員(副首相)が11月上旬に「休養」に追い込まれたことを挙げ、胡錦濤国家主席による「上海閥」狩りが着々進んでいると分析、中国の最高意思決定機関である党の政治局常務委員会の勢力は未だ上海閥が多数で江沢民前主席の影響下にあることから、胡錦濤主席の命令に従わないという。

そこで胡錦濤主席は07年秋の第17回共産党大会までに上海閥を叩くチャンスを狙っていたのだという。そこに降って沸いたのが「社会保険基金を舞台とする陳らの腐敗」だった。

ところがその背景には軍を巻き込んだ深刻な危機があったようだ、としてここでは香港紙が伝える“事実”を基に次のように書いている。

「06年5月上旬に、胡錦濤主席は密かに山東省・青島にある人民解放軍北海艦隊の基地を訪れ、青島海軍基地からミサイル駆逐艦に乗り、黄海で行われていた北海艦隊の演習を視察した。

その視察の最中、2隻の北海艦隊の艦艇が突然、胡錦濤主席らが乗艦していたミサイル駆逐艦に砲弾を打ち込んできた。そのため、駆逐艦に乗っていた海軍兵士5名が死亡した。

ミサイル駆逐艦は、直ちに演習海域から全速力で脱出、安全海域に入ったところで、胡錦濤主席はヘリコプターに乗り、青島基地に帰還した。胡錦濤主席はその後、青島で1泊する予定をキャンセルし、北京にも戻らず、雲南に行った。

雲南は成都軍区の管轄下にあり、『上海閥』も手出しが出来なかった。成都軍区には胡錦濤主席がチベット自治区及び貴州省のトップだった時代の部下が大勢おり、安心できる地区であった。

そこで体勢を立て直した胡錦濤主席は、1週間後に『北京に安全が確認されたため』北京に戻った」のだという。私は「チベットに一時的に避難した」との情報を得たのだが、詳細はこのとおりだったのだろう。

ニューリーダーの記事は「ミサイル駆逐艦への砲撃は『偶発的な事故』、あるいは『誤っての砲撃』だったという説もある。しかし、軍内の『上海閥』が、胡錦濤主席に対し、テロまたはテロもどきの行為を仕掛けた可能性もある。少なくとも、胡錦濤主席は、『上海閥』による自分への攻撃、あるいは脅かしであると受け止めたようだ。

胡錦濤主席は激怒したが、逆にこれをチャンスと見た。北京に戻った胡錦濤主席は、直ちに反撃に出た。まず北海艦隊の関係者を処分するとともに、江沢民前主席に近い王守業海軍副司令員と江沢民氏の秘書である賣延安・中央軍事委員会弁公庁主任が、砲撃事件に関わっていた「証拠」を江沢民氏に突きつけ、『由々しき事態である。今後は軍内のことに口を差し挟まないでいただきたい』とねじ込んだ。江沢民氏はただ沈黙していたという」

実にリアルな内容だが、多分これに近いことがあったに違いなかろう。「党の軍隊」が、実は「私物化」されていることを示しているが、もともとこの国の「軍隊」は「私兵」が基礎になっていた。いわゆる「軍閥」である。そうすると、今回の衛星攻撃実験も、伝統的な?軍内部の規律の乱れが背景にあったとも受け取れる。

「三国志」のお国柄だけあって、権力争いはいつものことながら凄まじい。『文化大革命』で毛沢東がとった戦術もこれに似ていた。今秋の17回共産党大会までに、胡錦濤主席は絶対的な軍の掌握が出来るか否か?給料を2倍にした効果が現れるのか? それが確定しない限りは来日なんぞありえないだろうし、オリンピックだって分かったものではない。

我が国のメディアも、文化大革命時に演じた大失態の名誉挽回のために、今中国国内で起きている『暗闘』をしっかり取材して日本国民に伝達してもらいたいのだが、肝腎の朝日は相変わらず触れることがないし、NHKは紅白で『ストリップ』を堂々と放映し、民放も『納豆』のデタラメ放送で右往左往という有様だから全く話にならない。

せめて政府関係者、経済界の代表たちだけでも、万一の事態に備えた「危機管理手順」を策定しておいて欲しいものだが。>

文化大革命は明らかに中国共産党の内部暗闘事件だった。事件というには10年は長すぎたが、明らかに自力更生路線の誤りを追及されて追い込められた毛沢東の反撃だった。それなのに日本のマスコミはことの真実に迫れなかったことは事実である。

特に朝日新聞の特派員は死んだはずの林彪(一時は毛の後継者)を死んでなんかいないと「庇い」続けて後世に恥を曝した。一人産経新聞だけは中国から国外退去をさせられながら真実に近い迫り方をした。

中国共産党は常に内部闘争を展開している。かの讃�平が3度も失脚させられたことで十分、分かることである。現在の胡主席は江沢民の指名によらない後継者、というよりはライバルであったため、2人の闘争は未だに継続しているわけである。民主主義とここが違う。

したがってマスコミ特に日本の特派員たちには2重3重の壁を構えて真実に近づけまいとしているのだ。国営通信新華社の発表物以外のネタを掴む事は殆ど不可能だし、仮令掴んだとしても報道した途端に国外退去、2度と入国ビザは降りなくなる。特派員は職業生命を絶たれる。私は佐藤さんのように悪しざまに罵る事はできない。

しからば佐藤パイロットは如何なるルートでこれを掴んだのか。「隠すことは顕われる」の日本の諺は中国にも適用される一般的な事実。水兵からの内部告発に似た漏洩があっても可笑しくないし、
彼らの中には共産党そのものを否定したい連中もいるのだから、あらゆるルートを通じて外部にもたらされる。

こう考えると、中国の秘密は、中国の中心にいるよりも、距離を置いたほうが接近できるということではないか。昨年5月の事件が半年以上経って日本に伝わったとは、そういうことではないか。上海や北京の特派員より、東京にいる記者たちが中国に聞き耳を立てることが特別に求められている。そういう記者のいないことも知っているが。2007.01.25

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