2013年02月16日

◆北核実験 北京の反対の裏側

古澤 襄


中国が北朝鮮の核実験を阻止しようとしたのは間違いない。中国問題専門家は、今回の核実験の「タイミングの悪さ」こそ、中国政府の反応の理由だと指摘している。

尖閣問題の緊張化によって、中国の戦略は日本を孤立化させることに主眼がある。米国内の世論も日中戦争に巻き込まれることを警戒する論調が生まれている。

そのような微妙な時期に北朝鮮が暴走すれば、日米韓の連携がよりいっそう強化されるきっかけを作り出してしまう。おまけに極右政権と名指しで非難する安倍政権が、防衛予算を増やす口実を与えることになる。

”親の心を子は知らず”で北朝鮮は中国の制止を振り切って核実験を強行した。中国にとって、いいことは何一つない。それでも米韓軍の緩衝地帯として北朝鮮に対する援助は続けなくてはならない。

国連でも過度な制裁には反対せねばならないから、暴走・北朝鮮には手を焼くことになる。

<【大紀元日本2月14日】北朝鮮が12日に行った3度目の地下核実験について、中国政府は「断固反対」や「厳正な申し入れ」と従来よりも厳しいコメントを繰り返した。だが、中国問題専門家は、今回の核実験の「タイミングの悪さ」こそ、中国政府の反応の理由だと指摘する。

このような指摘は、在米政治評論家の陳破空氏が米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材を受けた際にしたもの。

北朝鮮の暴走は、日米韓の連携がよりいっそう強化されるきっかけを作り出し、オバマ政権の「アジア回帰」にも拍車をかけることになる。米国がアジア太平洋地域でミサイル防衛システムの構築に注力し、日米韓同盟の軍事的基盤も増強される局面につながる。

こういったことは、「北京政権にとって甚大な災いだ」と陳氏は指摘し、北京が北朝鮮の核実験を怒る理由はここにあるとの見方を示した。

さらに、中国は日本と尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権をめぐり係争中である。先月の北朝鮮制裁の国連決議案に中国が同調したのも、米国に歩み寄りの姿勢を見せることで、尖閣問題で有利な立場を手に入れようとする目論みが指摘されている。

これらの「努力」も北朝鮮の度重なる「裏切り」で徒労となり、領有権争いの最中という「タイミングの悪さも北京政権を立腹させている」と陳氏はみている。

北朝鮮の核実験場は同国北東部にあり、中国との国境から100キロほどしか離れていない。核実験による「人工地震」は中国の吉林省や国境付近の中国側住民も感じていたという。

だが、中国の環境保護部(省)は実験翌日の13日にも、「わが国の環境と国民の健康への影響は確認されていない」と声明を出し、仮に放射性物質が漏れ出したとしても「主に南東に拡散するため、今のところ、わが国に影響を及ぼす可能性はない」と早々と結論づけ、核実験の重大性をぼかした。

国民が核危機にさらされ、敵対同盟の強化にもの申すこともできない立場に回された北京政府について、陳氏は「自業自得だ」と一蹴。北朝鮮の核関連技術の発展や設備・原料の調達は中国の援助と切り離すことができない。

北朝鮮からイランに濃縮ウランなどが渡ったことも公海経由ではなく、中国の領土と領空を通っていると陳氏。「北京の黙認や助長がなければ、北朝鮮からイランへの核技術の拡散はありえないことだ」

さらに、国際社会が北朝鮮を覆った経済制裁の網にも、中国という大きな抜け道があった。韓国中央日報の昨年7月の報道では、過去30年間、中国は北朝鮮に1000億ドルの援助をしてきたと伝えている。

「北京ルートの抜け道で、平壌は燃料・食糧・軍備を仕留めた」とみる陳氏は、中国政府が撒いた種が、自らにも燃え広がりかねない火種になっていることを非難した。(大紀元)>

<「頂門の一針」から転載>
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