2013年03月04日

◆早期に放射線洗浄目標を再設定せよ



民主政権の1_・シーベルトが帰還の弊害だ


民主党政権が設定した除染1_・シーベルトの目標が、マスコミの作り出した“風評的危機感”扇動と相まって、福島原発の地元住民の帰還の遅れを招いている。これに対して最近二つの大きな動きが生じた。


一つは福島県知事が国に対して目標の再設定を要望。他の一つは世界保険機関(WHO)が、被ばくによるがん発生の恐れを否定したことだ。


原発事故による被害者に明るい展望が開けつつある。政権交代の良い機会である。政府は危機を煽った民主党政権と違って、より緩い基準でも帰還できるよう方針を早急に転換すべきである。


もともと学者など専門家の間では年間積算線量1_・シーベルトの目標設定は、疑問視する空気が強かった。しかし一部マスコミが、放射線にナイーブすぎる国民性を逆手にとって、危機感を煽りにあおった。もちろん朝日新聞などは社是である原発ゼロ実現への思惑がある。


一方で、市民運動は、感情論を利用して運動の拡大を図った。こうした風潮を受けて民主党政権は、ろくろく除染の困難さを科学的に理解しないまま、環境相・細野豪志が世論にこびる傾向を強めはじめた。あちこちで除染の目標を「1_・シーベルト以下にする」と言って回ったのだ。


学者など専門家は反論すれば袋叩きに遭う形となっていた。「物言えば唇寒し」の雰囲気の中で、本来なら主張すべき発言を控えるという、だらしのない状況で推移してきたのだ。この結果「1_・シーベルト」が定着してしまったのだ。


ところが、音を上げ始めたのが自治体だ。いくら亙を一枚一枚洗浄しても2_・シーベルト以下には落ちにくいのが実態であったのだ。もともと専門家の間でも1_・シーベルト以下にするのは雨など自然現象が加わった長期目標でなければ極めて困難とする見解が強かった。


いくら洗っても1_・シーベルトには達さないし、人件費は湯水の如くかかる。住民の帰還は遅れる一方である。


いたたまれなくなった福島県知事・佐藤雄平は2月17日、国に対して「私としてはあくまで1_・シーベルトを目指したいが、正直いって苦慮している。国は達成できる数値を示して欲しい」と要望するに至った。
「国に文句を言うだけでなく、前進したい」と本音を漏らしたのだ。


これを聞いた環境庁長官・石原伸晃は「そうであれば、そのようなことを考えなくてはならない」と、目標変更に前向き姿勢を示した。


もともと国の目標は最初の内は20_・シーベルト未満なら帰還できるというものであった。自治体によっては飯舘村の村長・菅野典雄のように「1_・シーベルトでは10年、20年かかっても帰還できない。国に文句を言っているときではない」として、当面の除染目標を独自に5ミリシーベルトに設定してしまっているトップもいる。


そもそも1_・シーベルトは、レントゲン検査でも浴びる程度の線量であり、大げさにあげつらう方がおかしいのだ。菅野が言うように帰還を10年、20年先で我慢するか、それとも目標を緩和して早期に帰還を実現するかという選択の時期に到達したのだ。


おりからWHOは、東京電力福島第一原子力発電所の事故によってどのような健康影響が予測されるかをまとめた報告書を公表した。


その内容は「最大限に見積もっても被ばくによって住民のがんが増えるおそれは小さい」と指摘するものだった。


具体的には、事故当時、1歳だった女の子が被ばくの影響で生涯にわたって甲状腺がんを発症するリスクは、通常の人が0.77パーセントであるのに対して、福島県浪江町で0.52ポイント、飯舘村では0.32ポイント、それぞれ上昇するとした。


発病の可能性は極めて少ないことを物語っている。加えて、住民が事故の後4か月間にわたって同じ場所に住み続け、汚染食品を食べ続けた場合のケースも表示しているが、そのような住民は一人も居ないのだ。可能性はゼロに近いとも言える。


こうして、洗浄の可能性と被ばくの実態の双方から、政府の政策次第で避難住民の帰還への道が開ける可能性が高まってきたのだ。


政府は、風評や意図的な新聞論調に惑わされることなく、現実的な洗浄目標を設定し直し、住民が安心して帰還できるよう広報宣伝に努めるべきである。沈黙を守っている軟弱学者たちも、良心があるのなら積極的に発言して、早期の帰還を達成できるようにすべきである。

        <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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