2007年02月22日
◆AED救命の“効果”
石岡 荘十
2/18の東京マラソンで、AEDを使った救命救急のスタンダードといえ
る体制が組まれ、一旦、心停止したランナー2人が命を取り留めた。
市民マラソン中に亡くなる原因の多くが心臓の疾患で、突然の心停止は
「心室細動」と呼ばれる不整脈が原因といわれる。その治療に有効なの
が電気的除細動(電気ショック)で、最近では携帯型の体外式除細動器
(AED)が急速に普及している。
そこで、マラソンに先立って東京都は、救急救命に熱心で、イベント会
場での救急体制に関する体制構築の実績がある国士舘大・大学院学体育
学部に、マラソンコースの「AED救急体制」作りを依頼。
田中秀治教授を中心に、全コース1キロごとにAEDと学生2、3人を
1組にして配置。事故者が出た場合には、携帯電話で連絡、一番近くに
いるティームが自転車で現場に急行する体制を取った。
参加した学生は52人、これに加えて、卒業生20人が協力。名づけて「モ
バイルAED(自動対外式除細動器)隊」。
これとは別に、12ヶ所に救護所が置かれ医師が待機する体制でマラソン
スタート。
まず、スタート3時間後の午後0時30分ごろ、栃木県から参加した男性ランナー(59)が江東区豊洲の38キロ地点付近で前のめりに倒れた。心肺停止で意識がなかったが、近くの救護所で救助。搬送先の病院で意識を回復した。
ついで、3時前、有明のゴール約1キロ手前では別の男性ランナー(58)が倒れた。近くにいた学生ティームが急行。AEDで蘇生措置を受け意識を回復した。
この日、16人が救命救急の対象となったが、うち2人はこうして助かった。
総指揮を取った国士舘大大学院の田中秀治教授は、こう語っている。
「心室細動は始めの3分が勝負。自転車で駆けつける体制は10キロロードレースでも実験済みだった。
昨年5月、16万人が集まった多摩市のイベント、「子ども祭り」でも実験した。幸いこのときは故障者は出なかったが。
海外の市民マラソンでも有名なボストンマラソンでは毎年6、7人から10
人の死者が出ている。上海では数百人という話も聞いている。
今回は、100パーセント救命に成功したことになる。この意義は大きい。
今回の試みで分かったことは、今回のような体制をスタンダードとして
確立すれば、人の命は助かるということだ。
AEDの扱い方については、小中学校のときから教育訓練を重ねる必要
がある」
なお今回、AED50台はメーカー「日本光電」が協賛して提供した。
(Sankei Web 2007/02/18 などを参考にしました)
20070219
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