2007年02月26日

◆ここまで来た新聞販売合戦


石岡 荘十(ジャーナリスト)

新聞販売・拡張合戦は「ナベ・カマ商法」といわれたのも、いまは昔。
このごろは、キャッシュが飛び交っているという話を聞いた。

東京・世田谷に住む知り合いが、勧誘員のあまりのしつこさに根負けし
て、先月から、Y新聞を取ることに同意した。契約は3ヶ月。

その知人は、若いときから某宗教団体の会員なので、当然、その機関紙
の愛読者で、商業紙を取るのは初めて。宅配に同意した日、新聞販売店の拡張員は、いまどきナベ・カマは喜ばれないらしく、洗剤4箱、箱入りのティッシュ5つ、etc-----を差し出した。

そこまでは、まあいいとしよう。その後が傑作だった。

懐から財布を取り出して、1万円札を抜き出して渡しながら「これは黙っててくださいよ」と言ったそうだ。

「3ヶ月経ったらまた来ます」とも言ったそうだから、「そのときが楽
しみだ」と、年金暮らしでそれほど豊かではない、男やもめの知人はほ
くそえんだ。

3ヶ月毎に、1万円と各種家庭雑貨となると、差し引き、新聞はタダ、
ひょっとしたらトータルでプラスの計算になるかもしれない。

「こんなにたくさん洗剤をもらっても使い切れないよ。今度は他のもの
がいいなぁ」とも知人は言っている。

1万円の出所が、販売・拡張のための営業経費なのか、本人の営業成績
を上げるための自腹なのかは確認していないという。

新聞販売の仕組みがどうなっているのか詳しくないが、編集部門と営業
部門は、直接は関係なさそうだから、記事の内容や信頼性とは関係ない
かもしれない、あるいは「本社営業と販売店は関係ありません。販売店
が勝手にやっていることです」ということかもしれない。

しかしいずれにしても、放送を含めたマスコミ報道がかつてのような情
報機関としての権威と信頼を失いつつあることは間違いない。

原因はいろいろあるだろうが、本メルマのようなITツールの普及も無
関係ではない。

件の知人は、パソコンの達人で、大概の世の中の出来事はwebで間に合わせている。

だから、「どうせ読まないのに、アパートの3階から下まで持っていく
のが結構大変なんだ」と、新聞が結構な重さになることに今頃気づいて、愚痴っていた。


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