2013年03月18日

◆怖い「単独で70議席も」の囁き

古澤 襄


上げ潮ムードに乗る自民党大会が17日開かれた。大会後に親しい議員たちから、まったく異なる感想がもたらされている。いずれも7月の参院選で自民党が勝利し、政局を安定化させる点では変わりない。

6年前の2007参院選で自民党は37議席しか獲得できず、60議席を獲得した民主党に惨敗している。比例区得票数は自民党が1654万票、民主党の2325万票に遠く及ばなかった。

自民党にとって2013参院選は、その雪辱戦となった。安倍首相は大会の挨拶で「来るべき参院選は負けるわけにはいかない。この選挙で勝ち抜いて、誇りある国、日本を取り戻す」と決意を表明した。

朝日新聞社の全国定例世論調査(電話)で自民の政党支持率が44%に上り、2001年4月に現在の調査方法となって以来、最高となった。また読売新聞系のNNN電話世論調査でも安倍内閣の支持率は先月よりわずかに上昇して65・4%となった。

たしかにメデイアの調査報道をみるかぎり、安倍政権は順風満帆。週刊誌の中には自民党が「1人区で全勝、単独で70議席も夢でない」と提灯をつけるところも現れた。

しかし選挙を取り仕切る石破幹事長は、決して楽観視していない。まず自民・公明両党で改選過半数を獲得するために比例区の候補者を前回参院選よりも絞った。1人区でも岩手、山梨、三重、滋賀、奈良、沖縄の6選挙区は苦戦するとみて、25勝6敗を視野に入れている。

手堅い石破幹事長に対して党内から不満の声も出ている。

しかし執行部サイドは手綱を緩める気はない。参院の非改選は自民49,公明9で過半数には達していない。改選数の121議席で公明が11議席とるとみても、自民党は58議席獲得が最低目標になる。参院議長を自民党から出し、予算委員長人事などを考えると妥当な目標であろう。

これまでも自民党が楽勝と伝えられながら手痛い取りこぼしをした例があるから、石破幹事長の采配はかなり慎重である。「1人区で全勝、単独で70議席も夢でない」の声に踊らされると、参院で自民党が主導権を握る”夢”は一朝にして崩れる。

              <「頂門の一針」から転載>
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