2013年04月09日

◆米、「同害報復作戦」を展開へ

杉浦 正章



北の攻撃に対応


「金正恩第1書記が最後の攻撃命令を下すなら、侵略者たちを火のるつぼに放り込む」と指導部が表明する限りにおいては、北朝鮮の米韓日攻撃準備は整ったのだろう。


本当に戦端を切るかどうかはまだ不明だが、あとは金正恩の命令を待つばかりの状態であると推定される。


まさに狂気の沙汰の臨戦態勢だが米国は「目には目を歯には歯を」の“同害報復作戦”を展開すると7日のニューヨークタイムズが報じた。「対話はすべて失敗」(元国務次官補・カートキャンベル)状態であり、まさに一触即発の状態で事態は推移している。
 

10日にもと予想されている北のミサイル発射がこれまでと著しく異なるのは、落下海域の発表がない事である。それどころか韓国、ハワイ、グアム、日本まで特定して核ミサイルを打ち込むと脅迫している。


ここまで言われて、黙視する国は世界中にない。政府が7日にミサイル破壊措置命令を出したのも当然のことである。具体的内容を公表しないのは、事態を準戦時下ととらえ。敵に手の内を明らかにしないためであろう。


恐らく日米韓3国は具体的な軍事行動の役割分担まで調整しているに違いない。官房長官・菅義偉が、米国に向かうミサイルに日本が集団的自衛権を行使しない方針を明らかにしたのは、米国が独自の警戒網を敷くからに他ならない。


現に米軍はイージス艦の日本海配備などを完了している。米本土に向かうミサイルは下北半島東側に配備したイージス艦で対処する。グアム近海にもイージス艦を配備したことがわかった。
 

3国間の軍事行動は極秘裏に計画が練られているが、その一端をニューヨークタイムズ紙が7日報じている。
内容は、 過剰報復を抑制するために、同程度の仕返しをする思想である「同害報復」を基調としている。


同紙によるとまず、通常兵器による砲撃などには、攻撃源に同様の砲撃を行う。延坪島攻撃の際は、韓国軍は出遅れて対応がもたついたが、今回は万全の反撃態勢を敷いている。


次にミサイルが発射された場合には、数秒以内に軌道が計算できるからその計算結果に基づく判断が下される。韓国、日本、グアムに向かえば撃墜する。同紙は触れていないがその場合は同時にミサイルで同規模の攻撃が加えられるのだろう。


軌道計算の結果公海に向けての発射であれば、日本上空を通過しても対応は取らない。さらに同紙によれば発射台への先制攻撃は核弾頭が装備されているという確認がある場合に行われる。


これも同紙は報じていないが、核攻撃がある場合には当然核ミサイルや核爆撃機で報復するだろう。米韓合同演習で核搭載可能なステルス爆撃機や戦闘機などを展開しているのはそのために他ならない。
 

こうした「目には目を」型の報復作戦を米国が固めた背景には、北へのけん制であることはもちろん、韓国が過剰反応して全面戦争に突入する事への懸念があるためのようだ。


ニューヨークタイムズ紙は米政府高官が「本当の危険は韓国の過剰反応だ。我々はこの問題に対処している」と漏らしている。


当然日本はこの基本線を受けて行動をすることになるが、報復は米韓に委ねて、もっぱら飛び来る火の粉を打ち払う迎撃作戦に徹することになろう。ミサイル攻撃には迎撃態勢を確立して臨むことになる。
 

しかし、このような狂気の指導者の下に狂気の戦時体制に入った国に対処するのに、“専守防衛”などという生ぬるいことは言っていられないのが現実だ。


中距離ミサイル・ムスダンは今のところ2基が配備されているだけだが、過去20年にわたって改良を重ねたテポドンは100基以上が実戦配備されており、確実に日本に届く。


首相・安倍晋三は早期に敵基地攻撃能力を確立するとともに、米国へのICBMも撃墜する集団的自衛権の行使に踏み切るべきであろう。

     <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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