2013年04月14日

◆中国手詰まり、静観のみ?

矢板 明夫


【北京=】北京を訪れた米国のケリー国務長官は13日、習近平国家主席や王毅外相ら中国側の要人と相次いで会談し、北朝鮮問題で影響力を行使するように強く求めた。

しかし、中国共産党指導部内には北朝鮮への厳しい制裁に反対する声が根強く存在する上、最近の関係悪化で中国の北朝鮮に対する影響力も大幅に後退しており、中国にできることは限られているのが実情だ。

共産党筋によれば、習近平指導部は北朝鮮の勝手な振る舞いに手を焼いている。中国外務省幹部の間では、最近の北朝鮮の態度を「助言を聞かない」「重要なことを知らせない」「行動を予測させない」の「三つのノー」だと揶揄する声もあるほどだという。

半面、これ以上北朝鮮の暴走を容認すれば、軍事衝突に中国が巻き込まれかねないとの危機感もあり、指導部内で李克強首相らを中心に厳しい制裁を主張する意見が増えているとの情報がある。

中国は2月以降、中朝国境の税関検査を厳格化し、北朝鮮への輸出物資が大量に留め置かれたことが確認された。中国政府高官が北朝鮮問題を語る際の言葉遣いも厳しくなった。

王毅外相が6日、国連の潘基文事務総長との電話で、朝鮮半島情勢について「中国の玄関先でのもめ事は許されない」と強調したのは、北朝鮮に警告する意味だと指摘されるが、まったく効果がなかったようだ。

中国には北朝鮮向けの食糧とエネルギーを止めるという切り札が残されている。しかし、北朝鮮の体制崩壊につながりかねないとして、軍と保守派からは「日米を助ける利敵行為だ」と反発する声も強いという。

軍事衝突の勃発と北朝鮮の体制崩壊のどちらも避けたい習近平指導部は当面の間、胡錦濤時代の政策を踏襲し、北朝鮮の暴走を“静観”するほかに選択肢が見あたらないものとみられる。

産経ニュース 2013.4.13 21:40
<「頂門の一針」から転載>

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック