2013年05月01日

◆フランス大統領 6月に初訪日へ

古澤 襄


日独関係が冷え込む一方で日仏関係が良好なまま維持されている。明治以降、ドイツは日本に政治、軍事の面でもっとも影響を及ぼした国だったが、中国重視のアンゲラ・メルケル首相の下では関係が徐々に薄くなった感がある。

フランスはファッションや美術、料理など、文化的に高い評価を受ける国として日本人に人気が高い。毎年多数の日本人観光客が高級ブランドや美術館巡り、グルメツアーなどを目的にフランスを訪れている。

また、音楽、美術、料理を学ぶためにフランスに渡る日本人も多く、在仏日本人は3万5千人に及ぶ。柔道の競技人口が日本を上回るといわれる程の人気がある。

ジャック・シラク元大統領は大の親日家。来日は公私合わせて45回。外交政策的にも日本を重視した姿勢が見られ、「日本のいない安保理は馬鹿げている」とまで言い切った。森喜朗元首相との会談で、2016年の東京五輪招致について「日本を支持したい。日本しかないと考えている」と述べている。

だがサルコジ前大統領はメルケル独首相と同様に巨大市場としての中国重視に傾き、日本との関係が希薄になった観が否めない。これに対してオランド仏大統領は、共通の価値観を持った日本との関係を重視し、訪日して経済をはじめ安全保障やテロ対策などの幅広い分野で、日仏関係の強化を目指す方針だという。

<フランスのオランド大統領は、就任後、初めて6月6日から日本を訪問する方向で調整を進めており、経済をはじめ安全保障やテロ対策などの幅広い分野で、日本とフランスの関係の強化を目指す方針です。

関係者によりますと、日仏両政府は、オランド大統領が6月6日から3日間の日程で国賓として日本を訪問する方向で調整を進めており、日本政府は大型連休明けの閣議で正式に決定する方針です。

オランド大統領が日本を訪れるのは、去年5月の就任以来、初めてで日本に滞在中、天皇陛下と会見するほか、安倍総理大臣と首脳会談を行う予定です。

首脳会談では、日本とEU=ヨーロッパ連合とのEPA=経済連携協定などを念頭に、経済面での協力の強化が主な議題となる見通しで、フランスとしては日本市場の一層の開放を求め、フランス企業による鉄道事業への参入などを目指すものとみられます。

両国はまた、文化や安全保障、それに、ことし1月に起きた「アルジェリア人質事件」を受けたテロ対策など、幅広い分野で関係強化を目指す方針です。

景気の低迷や高い失業率に苦しむフランスは、経済成長が著しいアジア諸国との関係強化を図っていますが、サルコジ前政権が巨大市場としての中国を重視したのに対し、オランド政権は共通の価値観を持った日本との関係を重視する姿勢を打ち出しており、今回の訪問をその重要な一歩と位置づけています。(NHK)>

<「頂門に一針」から転載>
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