2013年05月18日

◆最速スパコンで何をする

平井 修一


5月14日は真夏のような日射しだった。季節の変わり目は変人が出やすいが、左手にケータイ(or スマホ)、右手にアイスキャンディを持ち、手放しで自転車に乗っているスーツ姿のバカがいた。技術が発展しようがGDPが上向こうが、人間のオツムは向上しないし、幸福になったという話も聞かない。ただ忙しくなった、精神的に貧しくなっただけである。

科学音痴の小生には以下の記事を見ても「だからどうなんだ、幸せになれるのか、少しは利口になれるのか」と思ってしまう。

<「京」の100倍 最速スパコン 文科省、7年後稼働目指す

文部科学省の有識者会議は8日、理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」の100倍の性能を持つ次世代スパコンを開発する計画をまとめた。

来年度から開発に着手し、平成32年ごろに稼働させる。計算速度の世界一奪還を目指して総額1千億円規模の開発費を投じる方針だ。

スパコンは研究開発の期間や費用、大規模シミュレーションの解析精度などを左右するため、最先端の研究や製品開発に欠かせない。日本が高度な研究水準と産業競争力を維持していくには、常に世界最高の性能が要求される。

次世代スパコンは毎秒1エクサ(100京)回の性能を目指す。開発費は京の1110億円と同水準を目安にしている。

計画通りの高性能が実現すれば、地震や津波による被害予測の精度が飛躍的に向上するため、文科省は防災分野への活用に大きな期待を寄せる。産業用途でも新素材開発や創薬など幅広い分野に応用できる>(産経2013.5.8)

最速スパコンで天災がなくなるわけではないし、創薬でこれ以上長生きしたところで迷惑なだけである。スパコン開発者、研究者が1000億円を懐に入れて多少幸せになるくらいで、国民のメリットなんて多分ありはしない。

パソコンもケータイもない時代は今よりはるかに幸せだった。飛行機や新幹線がない時代は皆のんびり出張していた。技術の進歩なんてない方がよ
ほどいい。

「出来てしまったものは出来ない昔には戻れない」と山本夏彦翁は言うが、今の技術がない時代に最早戻れないのであれば、少なくとも「技術の進歩=幸福」なんて嘘っぱちだと思うくらいの知恵は持っていた方がいいのではないか。

日本のこの100年を振り返っても、良かったのは飢えがなくなったことくらいである。それは先人の努力によるもので、パソコンのお陰ではない。スパコンが飢えの駆逐以上の貢献をするのかどうか。

所詮「世はいかさま」(夏彦翁)で、マスコミが囃し立てるものは大体がいかさまである。彼らは、今や押し入れの隅に眠っている「全自動餅つき機」を称賛していた。

一事が万事そんなもので、1000億円のスパコンも完成すれば1年もたたずに旧式になり、また1000億円寄こせとなるのだろう。冒頭のように手放しで自転車に乗るバカやらスマホ中毒がいるのだから民度の低さはいかんともしがたく、何を言っても蛙の面に小便、多分ダメ&ムダだろう。満つれば欠けるのが世の習いで、日本も欧米先進国も「技術大国=幸福小国」になるばかりだろう。

<「頂門の一針」から転載>
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