2013年05月23日

◆憲法改正の前にやるべきこと

加瀬 英明


日本が独立を回復してから、61年もたつが、憲法改正へ向かって、ようやく動きだした。

大多数の日本国民が中国が乱暴に振る舞い、アメリカの力が相対的に衰えさせているなかで、現行憲法によっては国を守れないことを、認めるようになっている。

私はアメリカが占領下で押し付けた憲法は、憲法としてまったくふさわしくないものだから、「偽憲法」と呼んでいる。

それでも、憲法改正まで、まだ道は遠い。第96条を改めてから、新しい憲法案をつくって、国民投票に問わなければならない。

改正憲法の目玉は何といっても、自衛隊を国防軍につくりかえることだ。

憲法改正を待つまで、自衛隊をどの国も持っている軍に、できるだけ近づけることをはかりたい。

まず、集団的自衛権の行使が内閣法制局の憲法解釈によって、禁じられてきたことだ。内閣の判断一つによって、改めることができる。自衛隊法も現実にそぐわない制約が多くて、軍として機能しない。

そして自衛隊員の階級や、兵科、装備などの擬い物の呼称を改めたい。

一佐、二佐、一尉、三尉、二等陸曹、陸士長という階級の呼称を、理解できる国民がどれだけいるものだろうか。

正解は、大佐、中佐、大尉、少尉、軍曹、上等兵だ。マスコミも、外国の軍人の階級については、旧軍の階級を用いているから分かりやすい。全国民に親しまれている、アニメの『ガンダム』をとっても、同じことだ。

国民が理解できる呼称に戻すことによって、自衛隊員の士気が向上する。

かつて自衛隊の創生期に、戦車は「特車」と呼ばれたが、いまでも砲兵は「特科」、歩兵は「普通科」のままだ。判じ物である。航空自衛隊の攻撃機は「対地支援機」だし、海上自衛隊の軍艦は「護衛艦」だ。

将校は「幹部」と、言い替えられている。マスコミが暴力団の幹部を呼ぶのにも、用いている。作戦は「運用」だし、戦闘服は「迷彩服」と呼ばれる。自衛隊の用語のなかに「兵」はもちろんのこと、「戦死」も存在していない。

自衛隊を偽軍としている例を、いくらでもあげることができる。自衛隊の任務が後ろめたいものだとして誤魔化すために、このような言い替えが行われてきた。

これでは自衛隊員が、胸を張ることができない。

戦後の日本は自らを騙して、敗戦を終戦、占領軍を進駐軍、平和憲法というように、現実から逃れるために、言葉を摩り替えてきた。

もっとも、言葉を快いものにするためにいい替えるのは、日本民族のお家芸であってきた。猪を山鯨といって堪能してきたし、兎は四つ足なのに、1羽1羽と数える。徳川幕府が葦原と呼ばれた、葦が群生していた埋立地に売春街を造った時に、葦原が「悪し原」に通じるので、吉原と命名した。

陸海空自衛隊の小林一佐といっても、ほとんどの国民が俳人を連想しよう。

小林一茶に、「其(そ)の場のがれの正月言葉など必ずのたまふまじきもの也(なり)」という句があるが、正月のあいだだけ験(げん)をかついで、耳に快い言葉にいい替えたものだった。

自衛隊の呼称を改めるのには、たいした予算を必要としない。7月の参院選で与党と友党が圧勝したら、ぜひ取り組んでほしい。

          <「頂門の一針」から転載>
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