2013年05月24日

◆台湾人は国なき民

Andy Chang


フィリッピンの領海でマグロ漁をしていた漁船がフィリッピン巡視船の停船命令を無視して逃げたので、巡視船が発砲し、台湾人の漁民が一人死亡した事件があった。台湾の中華民国政府はフィリッピンに抗議したが、フィリッピン政府は中華民国を認めないと返答し、双方の非公式代表が事件の調査交渉を行う事になった。

事件の是非は今後の調査に任せるとして、この事件で台湾人民は中華民国は世界が認めない政府であることがわかった。台湾国は存在しない。台湾人は国なき民である。台湾人は中華民国を打倒して建国しなければならない。

台湾人の建国を阻む因素は3つある。(1)中華民国政権が非合法ながら台湾を統治している、(2)中国は台湾独立に反対で、独立すれば武力攻撃すると恫喝している、(3)アメリカは独立に反対で中国との対話を勧め、現状維持を主張している。

●台湾人の間違った国家意識

以上の困難のため台湾が独立宣言、建国宣言をする事も困難を極めている。また、大多数の台湾人は独立建国の心情があるにも拘らず方策がない。

今回の漁民射殺事件についてある台湾人政治家は、「政府が国の主権と尊厳を発揮するよう要求する」と述べた。大きな間違いである。彼の言う政府とは中華民国政府のことだが、中華民国の主権と尊厳を発揮してどうするのか。

彼は中華民国政権が台湾人民を代表できると思うのは間違いだ。彼と同じく多くの知識人も同じ間違いを犯しているから台湾独立が困難なのだ。

●台湾の自由民主

台湾は民主国家である、独立する必要はないと主張する人がいる。これほど台湾人を誤った方向に導いた主張はない。台湾国は存在しない、中華民国は存在しないと各国が認めているのに、台湾は民主国家だから独立する必要はないと言うのは中華民国を認め、世界各国から見放されるという事だ。

中華民国とは蒋介石の亡命政権だが、中華民国が台湾人を代表する権利はアメリカを始めとする世界各国も認めていない。だがこの間違った主張のために台湾人は中華民国の選挙に熱中し、中国の脅威から逃れることが出来ないのだ。

台湾国は存在しないのに台湾は民主国で、民進党が(中華民国の選挙)で政権をとれば独立建国が出来るという。しかし存在しない中華民国政権をとったところで、世界は台湾を認めない。今の台湾人は、体制外、体制内と騒ぎながらみんな選挙が唯一の解決の道と思っている。民進党が政権を取っても中華民国体制は変らない。

自由民主があるから台湾の名義で国連加盟を推進する団体もある。台湾国がないのに国連に加盟はできない、それなのに台湾名義を使えば加盟が可能だと宣伝し、それを信じる人もいる。これも同じく人民を間違った方向に向けているのだ。

●民進党は中華民国の政党である

台湾人も日本人の多くも、台湾では選挙が唯一の建国の道だと思い、選挙とは民進党を支持することだと信じているが、これは大きな思い違いだ。

民進党は独立建国をしないと明言し、選挙で政権を取る事しか主張していない。民進党の主張とは、国民党よりもっと中国に接近すれば政権を取れると主張する政党である。民進党の主張とは、台湾は中華民国である、統一も選択肢の一つであるなどという。このような主張は台湾人には受け入れる事が出来ない。

民進党の主張は選挙に勝つ事だけだ。だが、これまでの選挙で民進党は治国政策を掲げた事がない。これは驚くべきことである。治国政策のない政党が政権を取ってどうするか、中華民国の制度を維持するだけではないか。

台湾は中華民国である、独立主張は票が取れない、中国が民進党を支持すれば国民党に勝てるなど、いずれも治国政策ではない。治国政策とは政治、経済、外交、司法などについての施行方針だが、民進党にはそれがない。

馬英九は無能だといいながら馬英九の治国政策、例えばECFAをどうするか、中国人の入国政策などをどのように変更するか、不公平な司法裁判、核発電反対などの政策発表がないのは馬英九より無能の証拠である。

●人民もまた無策である

民進党はダメだが、台湾人民にも独立方針がない。体制外運動派は中華民国を倒すと言いながら、選挙に勝つ事を主張している。

台湾の選挙とは中華民国の選挙であり、勝っても負けても中華民国である。しかも国民党は里町村長、農會などを完全に把握して金で選票を買う方法が実に巧妙である。退職金、ボーナスなど公務員の優遇で国民党は選挙では絶対に負けない。

その上に竹聯幇、ホンパン、チンパンなどと特務や警察などの監視が行き届いている。このような実情があるのに民主がある、選挙が出来ると人民を騙している。

●台湾人は国なき民である

台湾人は国がない。台湾が建国するには米国と東南アジア諸国の支援が必要である。アメリカは独立建国に反対で、現状維持を推進し、敬和的な解決を望むと言うが、アメリカにも政策がない。

台湾人に独立建国の政策がなく、選挙に頼るのは悲しいことだ。台湾人は近隣諸国の人民と連合しなければならない。今回の漁民射殺事件はフィリッピンとの関係が悪化る事となったが、ある意味では中華民国政権を打倒すべきと悟るチャンスでもある。

中華民国が台湾を統治しているかぎり台湾人民が建国して世界諸国の承認を得ることはできない。それを可能にするには台湾人民の覚醒と、アジア諸国の人民連合(PASEA)が必要である。

              <「頂門の一針」から転載>
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