2013年05月25日

◆「北」局長が習近平国家主席と会談

古澤 襄


新華社によると、北朝鮮の金正恩第1書記の特使として訪中した朝鮮人民軍の崔竜海総政治局長は、中国の習近平国家主席と会談した。

22日午前に北京に到着した崔竜海氏は、中国共産党の王家瑞中央対外連絡部長と会談している。金第1書記の腹心である崔竜海氏との会談で、北朝鮮が対話路線にカーブを切る確かな手応えを中国側が掴んだのであろう。

それが異例ともいえる習近平国家主席と会談になったのではないか。単なる儀礼的な表敬会談なのか、金正恩第1書記の訪中を約束する会談だったのか、内容はまだ分からない。

<【ソウル】北朝鮮の金正恩第1書記の特使として訪中した崔竜海・軍総政治局長は22日、北京で中国高官と会談した。この訪中は、最近数週間にわたって緊張していた中国との関係を修復しようとする北朝鮮の努力と受け止められている。

北朝鮮との関係に精通した中国当局者によると、金第1書記の腹心である崔局長は22日午前に北京に到着した後、中国共産党の王家瑞中央対外連絡部長と会談した。

討議内容の詳細や崔氏の訪中の目的は公表されていないが、訪中の直前には中国漁船と乗組員が北朝鮮当局に拿捕され、最終的に釈放されるなど両国間の関係がぎくしゃくした。中国政府はまた、北朝鮮による2月12日の核実験に対する国連の制裁強化を支持することによって、北朝鮮に圧力をかける意欲を示した。

北朝鮮にとって中国の支持取り付けは不可欠だ。他に主要な同盟国がいないし、援助と石油の大半を中国に頼っているからだ。中国にとっても北朝鮮の体制の安定は何よりも重要だ。北朝鮮体制が崩壊すれば、難民が大量に流入し、潜在的に在韓米軍の中国国境への進出につながりかねないからだ。

しかし最近数週間、中国が北朝鮮に不満を抱いている兆候が増えた。北朝鮮は昨年12月に人工衛星を打ち上げたが、長距離ミサイル技術の実験と受け止められた。

また北朝鮮は最近、米国や韓国などへの戦争の威嚇を続けた。これに対し中国の習近平国家主席は4月、北朝鮮の挑発的な言動をやんわりと警告するという異例の動きをみせた。

習氏はフォーラムの演説で「誰も、自己の利益のためにこの地域や世界全体を混乱に陥れてはならない」と語った。

北朝鮮はまた、中国最大級の国有商業銀行である中国銀行が北朝鮮の朝鮮貿易銀行との取引を停止する決定を下したことで圧迫を受けている。朝鮮貿易銀行は北朝鮮の兵器企業や核開発計画に関与する機関を代行して何百万ドルという取引に便宜を図ったと米国から疑われている。

インターナショナル・クライシス・グループ(ICG)の朝鮮アナリスト、ダニエル・ピンクストン氏は「(崔氏の訪中には)包括的なアジェンダが存在している」と述べ、「中国は北朝鮮の人工衛星打ち上げ、核実験、そして漁船の拿捕に不満を抱いていた」と語った。

同氏はその上で「また北朝鮮は経済・安全保障の分野で多くの問題を是正したいと思っている。たとえば核保有国として国際的に認知されたいと考えている。そして北朝鮮は食料在庫が乏しくなっている季節だ」と語った。

中国外務省の洪磊・副報道局長は22日の定例記者会見で、崔氏と王中央対外連絡部長との会談を確認した。ただし金第1書記の訪中の可能性を話し合ったかどうかは言及を避けた。

同副報道局長はまた、朝鮮半島を非核化するとの中国の長期的な立場を繰り返すとともに、現在停滞している6カ国協議の再開を促した。

朝鮮中央通信は、崔氏には軍と党の高官が随行していると伝えた。崔氏がいつまで中国に滞在するのか、また誰と会談するのかなど詳細は不明だ。

朝鮮中央通信の配信したこの記事では、北朝鮮の軍総参謀長に金格植氏(前人民武力相)が就任したことが判明した。アナリストによれば、金氏は2010年に韓国に対する2度の攻撃(哨戒艦沈没事件、延坪島砲撃)を指揮した将軍とみられている。

これは軍指導部の幾つかの人事異動の最新の動きで、軍が金正日総書記時代に牛耳っていた支配的な役割を制御しようとする努力の一環かもしれない、とアナリストたちはみている。

訪中した崔氏は近年、北朝鮮指導部の中で急速に昇格した。10年9月には、軍に所属したことは一度もなかったにもかかわらず、人民軍大将に任命された。金正恩氏の大将任命と同じ日だった。昨年に崔氏は大将から次帥に昇格し、軍の総政治局長になった。公式行事の際、金第1書記の傍らに崔氏がいる場合が通例だ。(ウォール・ストリート・ジャーナル)>
      
         <「頂門の一針」から転載>
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック