2013年06月20日

◆韓國における「慰安婦」

加瀬 英明


橋下大阪市長の「慰安婦」をめぐる發言が内外で大きな波紋をつくった。

いつものやうに、韓國の反日世論が沸き立った。

ことあるごとに、日本に惡態をついて快感に浸る。なぜ、韓國はこのやうにいぢけてゐるのかと思ふ。

だが困ったことに、アメリカでも日本の慰安婦問題となると、中國、韓國の多年にわたる工作によって、日本が先の大戰中に無辜のアジア女性を拉致して、軍の「姓奴隸(sex slave)」となるのを強ひたと、ひろく信じられてゐる。

河野官房長官(当時)による慰安婦についての談話、日本が前大戰に當ってアジアを侵掠したといふ村山首相談話を否定することには、アメリカの國内世論から強い反發を招くことになるので、オバマ政權も日本のなかでそのやうな動きがあることに、反發してゐる。

日本の官憲が人攫ひのやうに、女性の意思に抗って慰安婦となることを強制したやうなことはありえない。

慰安婦であれ、前大戰で侵掠を働いたといふのであれ、南京事件であれ、事實無根であるが、民主主義國で一國の政府がまったく虚僞の事實を、公的に認めるやうな奇想天外なことは、ありえないことだ。そのうへ、謝罪してゐる。全世界が事實だと信じ込んでゐるのも當然だ。

それだけに、河野、村山談話の罪は重い。日本が國家の安全を守るに當って、日本の汚名を雪ぐのを急がねばならない。日本の名譽を囘復することが、日本の價値を高め、日本外交に力を與へることになる。

どの國であっても、軍隊が外地で戰ふ場合には、將兵が性病にかかることがないやうに、兵士の性欲の處理にかかはって、管理するものだ。日本軍も例外ではなかった。日本軍の場合には、賣春宿を經營する事業者に女性を募らせて、慰安所を設けた。

いったい、韓國には、軍人のための慰安婦がゐなかったのだらうか。私は日韓國交樹立の前年に、韓國をヂャーナリストとして訪れてから、足繁く通ったが、『東亞日報』をはじめとする韓國の主要新聞に、米軍のための「慰安婦(ヰアンプ)」を募集する廣告を、よく目にした。「慰安婦」といふ言葉は、舊日本時代から引き繼いでゐた。

韓國における「慰安婦」について、韓國の學者グループによる研究があるが、2年前に『軍隊と性暴力』(現代史料出版)(注1)として譯出刊行された。

同書は「慰安婦」が、朝鮮戰爭の勃發から、國聯軍(米軍)と韓國政府がかかはって管理されたことが、克明に檢證してゐる。

韓國では米兵相手の「慰安婦」を「洋公主(ヤンゴンジュ)」(外人向け王女)、「洋(ヤン)ガルボ」(外人向け賣春婦)、「國聯婦人(UNMadame)」、「國聯夫人(Mrs UN)」と呼んでゐたといふ。米軍向けの賣春地區は、「基地村(キヂチョン)」と呼ばれた。

「慰安婦」の「目的は、第一に一般女性を保護するため、第二に韓國政府から米軍兵士に感謝の意を示すため、第三に兵士の士氣高揚」 のため
と、述べてゐる。

韓國軍にも、慰安婦がゐた。「『慰安婦』として働くことになった女性たちは、『自發的動機』がほとんどなかった。」「ある日、韓國軍情報機關員たちにより拉致され、一日で韓國軍『慰安婦』へと轉落した。」

「國家の立場からみれば、韓國軍『慰安婦』制度はあくまでも軍による性奴隸制度であり、女性自身は性奴隸(sex slave)であった」と、論じてゐる。

2002年に韓國陸軍の『慰安婦』についての研究が發表された直後に、「韓國の國防部資料室にあった韓國軍『慰安婦』關聯資料の閲覽が禁止された。(略)『日本軍「慰安婦」問題でもないのに‥‥』と言葉を濁らせた」といふ。

ソウルの國會と、アメリカ大使館前にも、慰安婦像を設置することになるのだらうか。

(注1)
『軍隊と性暴力---朝鮮半島の20世紀』(宋玉連・金榮編著)(現代史料出版/東京2010年)

(加瀬氏は「史實を世界に發信する會」(SDHF)會長。SDHF NewsletterNo.59 の原文(リンク)を許諾を得て漢字制限と假名字母制限を無視して入力。侵掠は原文では侵略。手元の戰前の漢和辭典では略の訓はヲカス、掠の訓はカスム。常用漢字表には略しか認めてないけれど音のみで訓はない。だから我々は侵略をもっぱら侵の意味でのみ解する。もし侵掠であったなら、つまり侵でありかつヲカスといふ意味だと知ってゐたら村山さんももっと愼重であったのではないかと思はれてならない。kmns)

<「頂門の一針」から転載>


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック