2013年07月10日

◆安倍内閣は終戦日靖国参拝を思い止まれ

杉浦 正章


日韓改善に道筋をつけるときだ
 

予想される参院選挙での安倍政権圧勝が、戦後まれに見るほど悪化した対韓外交にどう作用するかだ。総選挙に次ぐ勝利を背景に首相・安倍晋三が右寄りの持論を展開して関係悪化を招くのか、逆に多数を背景にした余裕をもって抑制的に対応するのか。


安倍自身難しい判断を迫られている場面だが、もうそろそろ本格的に関係改善に取り組むべき時だ。首相としての発言は重い。この際持論を封じて、極右の女性評論家などは遠ざけ、歴史認識は一切発言せず、少なくとも8月15日の靖国参拝は行わないことだ。大統領・朴槿恵が訪日出来るような環境を整えるべき段階に入ったと思う。
 

それにつけても朴槿恵は「長屋のおかみさんか」と思いたくなる。隣の悪口を隣近所に言って回り、まるで日本を歴史認識をてこに「韓中共通の敵」「韓米共通の敵」に仕立て上げようとしているかのようである。


人気韓流ドラマ「百年の遺産」でも韓国の姑(しゅうとめ)の嫁いびりは、陰湿かつ露骨で目を背けたくなるような場面が多かった。日本は「嫁」ではないが、朴槿恵の“いびり”かたは執拗かつ露骨かつ陰険だ。


訪米すればオバマとの会談で、米国の信頼すべき同盟国日本に言及して「日本は正しい歴史認識を持つべきだ」と同調を持ちかけた。余りの外交常識の無さに、さすがのオバマも返答に窮して相づちも打たなかったという。


「大成功」と自画自賛する訪中でも常識逸脱の言動をとった。なんと習近平に旧満州のハルビン駅頭で伊藤博文を暗殺した安重根の記念碑設置を認めてほしいと要請した。韓国にとっては英雄かも知れないが、国際社会から見れば単なるテロリストの銅像を建てさせよと言ったのだ。


すでに銅像は2006年に、韓国人によってハルビン市に4.5メートルのものが建設されたが、中国当局は「外国人の銅像建設は認めない」として撤去した。これをまたぶり返そうとしたのだ。しかし中国政府は、安重根の評価に関しては反日勢力を刺激し、国内の社会不安を増大させるとして、積極的ではない。


実際にはテロリストを評価する銅像を建てれば、国内情勢からみて、いつ習近平ら共産党政府要人に弾が飛んでくるか分からないというのが、本当の理由のようだ。朴槿恵は米中首脳もたじろぐような「反日」の言動を行ったが失敗したのだ。
 

このように朴槿恵は、国内での不人気を対日カードを切りに切って挽回しようとしているように見える。これは、習近平の尖閣活用と似て、余りにも安易な人気取り政策であり、必ず馬脚を現す邪道である。日本も黙ってばかりはいない。


政府は6月24日、韓国と結んだ通貨交換(スワップ)協定に基づく融資枠のうち、7月3日に期限を迎える30億ドル分の契約を打ち切った。韓国経済は円安がたたって息も絶え絶えとなっている中で、金融不安につながりかねないことになった。相当痛い仕打ちであったはずだ。首相官邸主導で踏み切ったと言われる。


官房長官・菅義偉は、「結果として、日韓の外相会談が早まったんじゃないか」と述べ、韓国が困惑して会談に応じたとの見方を示唆した。そもそも根底には韓国は経済や金融危機になると日本が手をさしのべてきたことへの甘えがあるのだ。


韓国外相・尹炳世(ユンビョンセ)は外相・岸田文男との会談で「歴史問題は細心に取り扱われないと、民族の魂を傷つける」と述べたがその通りだ。まず自ら大統領に「安重根の話など持ち出さないように」と説得すべきだ。


確かに歴史認識の問題は、下手に対応すると国の存亡に結びつくことがある。かつて英国とフランスは結託してスペインを歴史認識の問題で追い詰めた。インカを滅ぼしたことを非難し続けたのだ。この論争に敗れて、大国スペインは見る影もなく凋落(ちょうらく)した。


「民族の魂」が失われると、国は滅びるのだ。お互いに歴史認識には深入りしないことがまず重要なのだ。


8月15日の国会議員らによる靖国参拝は、選挙直後ということもあり、また自民党の人数が増えることも相まって、前回の168人を上回るのではないかと思われる。政府がこれにストップをかけることは困難だし、必要ないが、首相はもちろん閣僚の参拝は思いとどまることが適切だろう。


閣僚が年に2度も3度も参拝して、近隣諸国との関係を悪化させて、昔の道をたどるようなことを、若くして特攻で死んだ英霊が喜ぶとでも思ったら大間違いだ。安倍は「英霊に尊崇の念を現すのは当然。わが閣僚はどんな脅かしにも屈しない」などと開き直っているが、英霊は絶対に喜ばない。


辛気くさい宮司などを喜ばせて何になる。ここは国会議員ら靖国マニアに任せ、自らも下野してからの参拝を「楽しみ」にして、関係改善への道筋をつけるべきだ。

      <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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