2013年07月27日

◆労組依存が再編の足かせ

桑原 雄尚


参院選惨敗を受けて党の立て直しが迫られる民主党の海江田万里新体制は、日立労組出身の大畠章宏氏の幹事長起用により労働組合に依存する守りの姿勢が鮮明になった。

野党再編を意識する若手や非労組系の議員の失望は広がり、かえって路線対立は激化、「海江田降ろし」は収まりそうにない。海江田代表の自浄努力も問われる。

「まず皆さま方におわびしなければいけないのは、先の参院選の結果であります…」

26日午後、党本部で開かれた両院議員総会で、海江田氏は謝罪の言葉から始めた。その後、若手から容赦ない言葉が相次いだ。

「敗軍の将は引き際を間違えてはいけない。すぱっと辞めて、みんなで一丸となって前に出るのが正しい道だ」(田嶋要衆院議員)

「代表選こそが最大の総括につながる」(柚木道義衆院議員)

時折メモを取りながら耳を傾けていた海江田氏は「危機感はある。今後のプロセスを示すしかない」などと釈明を繰り返した。同時に「代表選をやるときは私が退くときだ」と強弁もした。

海江田氏を支持する大畠グループの篠原孝元農林水産副大臣が「参院選で敗れたからといって、代表のせいにするのはもってのほかだ」と反論したが、拍手はまばら。

最後に挨拶した大畠氏は「朝早くから夜遅くまで働き、それでも年収200万円の方がたくさんいる。その方々の立場に立つ政党が必要だ」と訴えた。

締めは「ガンバロー」三唱。労組色の濃い総会に、非労組系の一人は「むなしい。虚無感を覚える」と吐き捨てた。渡辺周元防衛副大臣は記者団に「代表選をやるべきだ。野党再編に向かうのか。独自路線を行くのか。路線をめぐって代表選で意見をぶつけ合って、決まったことに従うべきだ」と訴えた。

海江田氏への不満には、参院選で「反党行為」をした菅直人元首相への処分にもある。海江田氏は、一度は菅氏に離党を促しながらも、一部議員から「重すぎる」と言われて党員資格停止に軽減した。「鳩菅」時代を完全に幕引きさせることができず、代表の威信を失墜させた。

それでも、海江田氏には「続投」の二文字しかなかった。21日の参院選投開票日に早々と続投を表明したのも、辞任の方がかえって党は崩壊すると踏んだためだ。海江田氏は、野党再編に意欲をみせる細野豪志幹事長の辞任を8月末から26日付に前倒し、自身の基盤固めを急いだ。

細野氏を支援する若手議員らは26日、国会内で会合を開き、当面は海江田氏の党運営を注視する方針を確認した。海江田執行部に距離を置く前原誠司前国家戦略担当相は記者団に対し、野党の結集は必要だとしながらも、細野氏らへの牽制(けんせい)として「理念や旗頭も大事だ。拙速でもいけない」とも述べた。

海江田氏も、両院議員総会で、民主党主導による野党再編に前向きな発言をした。もっとも、日本維新の会をはじめ野党再編に前向きな勢力は、公務員制度改革で障害となる労組との決別が大前提であり、労組依存を強める海江田新体制は再編の相手にならないのだ。その点からして、細野氏らと海江田新体制との対立は解消しそうにない。

26日深夜、細野氏は自身のツイッターに「今後も、民主党議員の一員として海江田執行部を支えていきます」と書き込んだ。その約15分後にはこうも記した。

「肩書きがなくなり、等身大の議員活動と日常生活に戻ります。根を張り、幹を太くしない限り、第二幕は開きません。課題はたくさんあります」 産経ニュース2013.7.27

<「頂門の一針」から転載>

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