2013年07月28日

◆朴大統領と安倍晋三首相は“鬼胎”

〜韓国大騒ぎ〜

黒田 勝弘 


韓国は漢字を捨ててしまった国なのに時々、妙な漢字語が話題になる。今回は「鬼胎(クィテ)」なる言葉で、本来は医学用語の「奇胎」と同じという。「妊娠の際、子宮内で胎児が育たず形をなさない病気」のこととかで、転じて「生まれてはいけない子供」の意味として最近、韓国政界で大騒ぎとなった。

朴槿恵(パククネ)政権の足を引っ張るのに懸命な野党のスポークスマンが「朴大統領は日本の安倍晋三首相と同じく“鬼胎”だ」と公言したため、与党側が「選挙で選ばれた大統領の正統性を否定する暴言だ」と激しく反発。

すったもんだの末、野党が謝って一件落着となったが、面白いことに「安倍首相にも謝るべきだ」などという声はどこからも出なかった。

韓国人のほとんど誰も知らないような難解な言葉を持ち出しての“鬼胎論争”だったが、発端は野党スポークスマンが「岸信介と朴正煕(チョンヒ)」と題する日本の本(翻訳)を読んだことからだという。

韓国マスコミによると、この本はタレント教授、姜尚中氏らが書いたもので、安倍首相の外祖父で戦前は旧満州国の官吏を務め戦後は首相になった「岸信介」と、朴槿恵大統領の父で戦前、満州国軍将校を務め、後に韓国の大統領になった「朴正煕」は、ともに“満州人脈”でつながっているから「日本帝国主義の鬼胎」というべき存在だったというのだ。

典型的な左翼的歴史観だが、とすると朴槿恵氏も安倍氏も“鬼胎”の血筋だから「本来、生まれてはいけない、存在すべきではない指導者」というこ
とになる。

この話に韓国の野党が飛びつき“朴槿恵たたき”に使ったのだ。血筋が大好きで、今なおネポティズム(身内びいきなど縁故主義)が蔓延(まんえん)している韓国ならではの発想だ。

日本のは安倍氏の祖父、岸信介元首相を意識することはないお付き合いさせられた安倍首相は苦笑しているだろうが、日本の国民(有権者)は安倍支持にしろ安倍批判にしろ、彼の母方のおじいさんである岸信介元首相を意識することなどほとんどない。安倍首相としては朴槿恵大統領と一緒にしてもらっては困る、ということになる。

ところで日本の左翼学者や韓国の野党が関心の、いわゆる満州人脈については別の観点が可能だ。実は北朝鮮建国の祖・金日成(キム・イルソン)も満州との関係が深かったからだ。

彼は出稼ぎの父に連れられ満州に移住し満州で育った。後に中国共産党の抗日武装闘争に加わり、日本の敗戦時はソ連軍配下にあってソ連軍大尉として北朝鮮に帰還した。

金日成はソ連および中国共産党系の満州人脈で北朝鮮を建国し国家運営にあたったということになる。一方、日本軍指導下の満州国軍に所属し、日本の陸軍士官学校に留学した朴正煕も、後に韓国の指導者として「岸信介」をはじめ満州人脈を活用したが、金日成との違いはそれが日本系の満州人脈だったことだ。

現在、北朝鮮は飢え韓国は飽食している。金日成と朴正煕はともに満州体験を持ち、満州人脈が国家経営の背景にあったにもかかわらず、ソ連・中国系の金日成は失敗し日本系の朴正煕は成功したのだ。

この地で南北どちらの指導者が国民を幸せにしたか。歴史の総括でいえば、結果的には反日の金日成とその子孫こそがむしろ“鬼胎”だったということにならないか?

産経ニュース2013.7.27

<「頂門の一針」から転載>

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