2013年07月30日

◆君臨7年、輿石氏の何がいい?

阿比留 瑠比


政治の世界は栄枯盛衰、権力者の移り変わりが目まぐるしい「ドッグイヤー」だ。そんな過酷な政界にあって、枢要な同一ポストに長年にわたってとどまるという離れ業を演じているのが、民主党の輿石東参院議員会長である。

輿石氏がこの地位に就いて、6月12日で丸7年となった。5月には喜寿(77歳)を迎え、ますます元気な様子なのは、誠に慶賀に堪えない。

とはいえ、民主党が一体何の目的と成算があって輿石氏にポスト独占を許してきたのかはさっぱり分からない。輿石氏に重責を担う政治手腕や理念が果たしてあるのかも甚だ疑問だ。

「参院選勝利、みんなで力を合わせていきたい。よろしくお願いする」

輿石氏は6月12日の党参院議員総会でこうあいさつした。日ごろから「顔合わせ、心合わせ、力合わせ」を口癖にしており、言っている内容は十年一日のごとく代わり映えがしない。

だが、まるで時代の潮流を無視するように居座る輿石氏とは対照的に、政界は大きく変遷してきた。

輿石氏が参院議員会長に就いた平成18年6月の時の首相は、小泉純一郎氏だ。それから首相は安倍晋三氏→福田康夫氏→麻生太郎氏→鳩山由紀夫氏→菅直人氏→野田佳彦氏から再び安倍氏へと7代変わった。時代はダイナミックに動いても、輿石氏はずっとそこにいる。

その間、民主党は野党から悲願の政権交代を果たして与党となり、今度は下野の悲哀を味わった。民主党が大敗した昨年12月の衆院選では、輿石氏は選挙責任者である党幹事長を兼任していたが、責任を取って参院議員会長の地位から降りることはなかった。

鳩山政権では首相の鳩山氏をかばおうとせず、8カ月余で辞任させた。菅政権では22年の参院選で自ら率いる参院民主党を敗北させ、「党内融和」を期待された野田政権では約70人の離党者を出す始末だった。

「離党防止策があるんだったら、ぜひ教えてくれ」

輿石氏は今年4月の記者会見では、記者団にこう問いかけている。国民はむしろ民主党に、「輿石氏のいいところがあるんだったら教えてほしい」と聞きたい気持ちではないか。

そうなると、輿石氏自身が改選を迎える3年後の参院選まで、10年間も党参院議員会長の座にとどまる可能性が高いのである。これはもはや「怪現象」だ。

かつて自民党で「参院の法王」「尊師」と畏怖された村上正邦元労相と、「参院のドン」と呼ばれた青木幹雄元官房長官の党参院議員会長在任期間はそれぞれ約1年半と約3年だ。この事実と比べても、現状がいかに異様かがわかる。

その村上氏は、輿石氏のあり方について手厳しい。

「長いねえ。参院議員会長として実績を上げてきたならまだいいが、何もない。もう役割は終わったし、これからやるべきこともない。これまでの責任を取って早く引退すべきだ」

それでも、民主党からは輿石氏に代わって自分が参院議員会長を引き受けようという議員は出てこないのか。参院第一党が、そこまで人材が枯渇しているというのなら、何をか言わんやだが…。

産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2013.6.13


<「頂門の一針」から転載」
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