2013年08月02日

◆輿石副議長容認−それでいいのか?

阿比留 瑠比


参院自民党執行部に問いたい。あなた方は本当にそれでいいのですか、お天道)様(おてんとうさま)と国民に恥じるところはありませんか、と。もちろん、民主党の輿石東(こしいし・あずま)参院議員会長を、栄えある参院副議長候補として容認するという件についてである。

輿石氏といえば、教員を違法・脱法の政治活動に駆り立てることで知られる山梨県教職員組合(山教組)委員長出身で、「日教組のドン」と呼ばれる存在だ。

「(日教組は)政権交代にも手を貸す。教育の政治的中立などと言われても、そんなものはありえない。私も永遠に日教組の組合員である自負を持っている」

輿石氏が平成21年1月の日教組会合で、こう高らかに宣言したことはあまりに有名である。これに対し、「教育基本法や教育公務員特例法に抵触する」「憲法26条の『国民の教育を受ける権利』を侵害する」などと国会で強く批判してきたのは自民党ではないか。

安倍晋三首相も参院選期間中の7月7日、甲府市内での街頭演説で強調した。

「私たちはすべての子供たちが真っ当な規範意識、道徳観を身につける機会を保障していく。残念ながらそれに反対する人々が教育現場にもいる。この地域にはその親分の一人もいる。断固として子供たちの未来のために戦っていく」

名指しはしていないが、どう考えてもこれは輿石氏と日教組のことである。いわば戦うべき「宿敵」が副議長という栄誉を担うことに対し、自民党が協力するというのは筋が通らない。

今回、新たに自民党の参院議員会長に就いた溝手顕正(けんせい)氏がかつて、輿石氏についてこう揶揄(やゆ)していたことも記憶に新しい。「支離滅裂、まさに例えればヌエのような存在だ」

ヌエとはサルの頭にタヌキの胴、トラの手足にヘビの尾を持つ伝説の生き物だ。つまり溝手氏自身が、輿石氏をほとんど妖怪扱いしていたのである。

そんな相手が三権の長である正議長に準じ、皇位継承の順序変更にもかかわる皇室会議メンバーでもある副議長に就任するのを何ら抵抗もせずに認める−。国会対策上の必要性があったとしても、これでは国民を愚弄していると受け止められても文句は言えない。

「安倍首相への問責決議案提出を主導した輿石氏を認めたら、自民党は『きっと裏取引がある』といわれるだろう。古い自民党に戻ったなとの印象もある」

輿石氏の「君臨」にうんざりしている山教組OBの一人はこう語る。首相に近い複数の自民党参院議員も「輿石氏には投票しない」と明言しており、自民党の足並みも乱れそうだ。

輿石氏は22年春、北海道教職員組合(北教組)幹部らが、民主党の小林千代美衆院議員(当時)に違法な選挙資金を提供した政治資金規正法違反事件が起きた際、北教組とウグイスの鳴き声をもじってこう唱え、記者団をけむに巻いた。

「ホー、ホッキョウソ」 何が言いたかったのかはいまだに謎である。ともあれ、参院副議長の職責にふさわしいとはとても思えない。(政治部編集委員)(阿比留瑠比の極言御免)産経ニュース2013.8.1

<「頂門の一針」から転載>

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