2013年08月20日

◆日露は領土か、経済協力か

古澤 襄


日露関係は、北方領土交渉だけに絞って俯瞰しているのは誤りであろう。これまで日露交渉は、この誤りのまま一歩も進展していない。外務省からロシアン・スクールが去って久しい。

オバマ政権になって日米同盟に不確かな色合いが増し、一方で中国と韓国の反日姿勢は強まる一方である。これを安倍首相は積極的な東南アジア外交を展開して切り抜けようとしている。

その方向性は正しいが、そこに日露関係の改善も重要なテコとして加える外交戦略が必要ではないか。

オバマ政権の不確実性は、来年秋の中間選挙が近づくにつれて、ますます”内向き政治”になり国際的な指導力を失うであろう。レームダック化するオバマ政権に日本は過度な期待することは出来ない。

その視点に立てば、対ロシア外交は新たな観点から日本が独自なアプローチをすべきであろう。米ロ関係の悪化に付き合う必要はない。

<日ロ両政府による北方領土交渉再開の場となった19日の外務次官級協議。日本の経済協力取り付けを優先するロシアを相手に、日本としては、経済分野を含めて2国間関係を強化する中で、北方領土交渉の前進につなげたい考えだ。ただ、同日は双方の主張を述べるにとどまったもようで、今後の厳しい交渉を予感させた。

「旧知の友人という気がする」。杉山晋輔外務審議官は次官級協議の冒頭、北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議でロシア側のカウンターパートだったモルグロフ外務次官に親しげに語り掛けた。

日本外務省関係者は協議に先立ち、「領土問題は、まずは腹の探り合いになるだろう」と指摘。同省幹部は終了後、記者団に「日ロ関係全体を発展させたいとの意欲は感じられた」と、ロシア側の姿勢を取りあえず評価したが、具体的な交渉内容は明かさなかった。

次官級協議は、安倍晋三首相とプーチン・ロシア大統領による4月の首脳会談で合意。今秋のラブロフ外相の来日前に開催することになっていた。
参院選に勝利し、長期政権を視野に入れる安倍首相としては、強いリーダーシップを保つプーチン大統領の2018年までの任期中に、領土問題で具体的な成果を得たい考え。しかし、領土問題で「最大の抵抗勢力」(日本外務省関係者)とされるロシア外務省が前向きになっているわけではないのが実態だ。

このため、日本政府内には、プーチン氏が明確な方向性を示さない限り、協議は入り口の段階から立ち往生しかねないとの見方が強い。そのプーチン氏は、平和条約締結後に歯舞群島、色丹島を引き渡すとした「日ソ共同宣言」よりも踏み込むつもりはないとされる。

日本政府は、択捉島、国後島を含む四島の帰属問題を決着させた後に平和条約を締結するのが基本方針。今回の次官級協議でも、極東開発などで日本の協力を期待するロシア側に対し、領土問題の前進とセットであることを強調し、歩み寄りを求めたとみられる。(時事)>
2013.08.20

<「頂門の一針」から転載>
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