2013年09月06日

◆子どもに罪はない

川原 俊明


最高裁判所で、婚外子に対する相続割合が、嫡出子の半分とする民法の法律(条文)を違憲・無効とする判断を下しました。

当然のことです。多いに賛成です。生まれてきたすべての子どもに何ら区別も差別もあってはなりません。婚外子に対する相続割合を差別する民法の条項は、戦後の家族制度・一夫一婦の夫婦制度を守る意味合いがありました。

結婚していない男女から生まれた子どもの相続割合を婚姻関係にある親から生まれた嫡出子と比較して半分に差別することにより従来の婚姻制度を守ろうとしてきたのです。婚姻制度を守らないで生まれた子は平等扱いされない、と。

法律は、社会制度を維持するために必要なきまりごとです。しかし、社会はたえず変化しています。一夫一婦の夫婦制度そのものが日本の社会から崩壊しつつあります。

多様な家族のあり方が生まれつつあります。婚外子といえども、子どもの立場からすれば、何ら差別される理由はありません。

結婚していない女性が子どもを産んではいけないのか。結婚していない立場の男女から生まれた子どもがどうして夫婦から生まれた嫡出子と差別されなければならないのか。生まれてきた子どもに何の責任もありません。

法律は、本来、その時々の社会の規範であるべきでした。しかし社会は大きく変化しています。一旦成立した法律も時節に応じた社会の変化に対応できなければ、逆に足かせとなり社会の発展を遅らせる原因となります。

法律改正を迅速に対応することによって法律と現実社会とのギャップを是正すべきです。
しかし、現実の国会運営をみると、法律改正手続は余りにも時間がかかりすぎ、二院制の下で時間的な無駄が多すぎます。その間隙を埋めるのが判例法でしょう。

最高裁判所の判決は、下級審を含め司法判断を支配します。同じ係争案件は、下級審で最高裁判所の判断と結論を異にすると、結局は上告により下級審判断が覆されることになるからです。 

その意味で、今回の最高裁判所による婚外子違憲判断は、民法解釈に大きな影響を与えることになるでしょう。

裁判所の判断において、個々の事例による判断が、異なっては法の平等の精神に違反します。

全国一律に子どもを平等扱いするためには、早急に民法改正が必要です。                   (弁護士)
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