2013年10月06日

◆日本は世界唯一の和を重んじる文化

加瀬 英明


私は41歳になった時に、福田赳夫内閣と中曽根内閣で首相特別顧問をつとめた。また、外相、防衛庁長官顧問として、外交の第一線に立った。

外交でひとつ心すべきことがある。英語で「ミラー・イメージ」というが、自分の姿を鏡で見るように、相手国も自分と同じような価値観を持って行動するはずだと、思い込む罠に陥りやすいことだ。

中国、朝鮮半島は隣国なのに、日本とまったく異質な文化を持っている。王朝がしばしば暴力によって交替し、権力を私して人民を搾取、収奪したから、民衆は自分の身を守るために、互に信じることなく、利己的にならざるをえなかった。和の心も、公徳心も育ちようがなかったから、生きるために嘘も、盗みも正当化された。

日本が天災の国ならば、絶え間ない人災の国であってきた。ヨーロッパも、そこからでてきたアメリカも、同じような歴史を持っている。日本の和の心は、通じない。

いま、日本は性奴隷という慰安婦問題によって、アメリカだけでなく、世界から不名誉きわまりない汚名を着せられている。この原因は、平成5年に慰安婦について謝罪した河野官房長官談話がつくった。

そのうえ、補償までした。私と親しいアメリカの高官が、「有史以来、東西を問わず、戦場と兵士の性処理はつきものだった。それなのに、日本政府は慰安婦について、人類史上はじめて謝罪した。よほど悪いことをしたにちがいないと思われても、仕方ないだろう」といった。

旧軍の慰安婦は拉致されて、強制されたのではなく、職業的な売春婦だった。日本でも、ヨーロッパ、アメリカでも、売春は公認されていた。アメリカ兵がベトナム戦争中、100万人以上の「アメラジアン」と呼ばれる混血児をベトナムに残したために、1982年にアメリカ議会が救済する立法を行なった。

韓国軍もベトナムで、3万人の「ライダイハン」という混血児をのこした。前大戦中に日本兵が生ませた混血児は、ほとんどいない。

しかし、その後も、歴代内閣が河野談話を撤回していないために、病根が世界にわたって、日ごとに深まるようになっている。

ここでも、「ミラー・イメージ」が働いている。だから、日本が誤解されている。

日本は歴史を通じて、奴隷がいない珍しい文化だった。戦いは武士と兵卒だけが戦って、一般住民を殺すことがなかった。敗者の女性を手当り次第、強姦することもなかった。日本は優しい、和の文化なのだ。

中国史や、西洋史では、しばしば都市ぐるみで大量虐殺が行われた。中世ヨーロッパの宗教異端裁判では、30万人が火焙り刑によって、虐殺された。秀吉がキリシタンが神社仏閣を破壊し、日本の男女を奴隷として国外に売ったために、キリスト教を禁じて、信者を捕えて処刑したが、合計して僅か4千人だったのと、対照的である。

<「頂門の一針」から転載>
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