2013年11月08日

◆「勇み足」認めた朝日の慰安婦報道

阿比留 瑠比


日本の官憲が女性を強制連行して慰安婦としたという虚構を世界に広めた「主犯」は平成5年8月の河野談話だが、その「従犯」とも「共犯」ともいえるのが朝日新聞である。今月1日付の読売新聞は政治面の記事でこう書いている。

「日韓両国間の外交問題になったのは、1992 (平成4)年の朝日新 聞の報道が発端だ。旧日本軍に関し、『主として朝鮮人女性を挺(てい) 身(しん)隊の名で強制連行した』などと事実関係を誤って報じた」

読売は5月14 日付紙面でも朝日について「戦時勤労動員制度の『女子 挺身隊』を“慰安婦狩り”と誤って報じた」と指摘しているが、これは4年1月11日付の朝日の1面トップ記事「慰安所軍関与示す資料」を指すとみられる。

この記事は、明確な根拠は示さないまま慰安婦について「多くは朝鮮人女性」「人数は8万とも20万ともいわれる」などとも記している。現代史家の秦郁彦氏の推計では、慰安婦の総数は2万〜2万数千人で、そのうち日本人が4割(朝鮮人は2割程度)を占めていたにもかかわらずだ。

さらに朝日は、吉田清治氏という「職業的詐話師」(秦氏)による「韓国・済州島で女性を強制連行した」との証言を確認も検証もしないまま信じ、繰り返し報じてきた。

吉田証言は後に、秦氏の現地調査や地元紙の済州新聞の報道で、完全に「作り話」だったことが判明した。ところが、「ひと」欄(昭和58年 11月10日付)で「朝鮮人を強制連行した謝罪碑を建てる」と取り上げ たり、1面コラム「窓」(平成4年1月23日付)で「吉田氏は腹がす わっている」と持ち上げたりしてきた朝日は、過去記事を訂正しようとし ない。

一方、朝日の後を追うように毎日新聞や赤旗など他紙やテレビも吉田証言を報じたため、吉田氏の嘘は世界にも広まっていった。

韓国政府が4年7月にまとめた「日帝下軍隊慰安婦実態調査中間報告」や、国連人権委員会に提出され、慰安婦を「性奴隷」と認定した8年の「クマラスワミ報告」も吉田証言を引用している。朝日をはじめとする日本のメディアの報道が、吉田証言にお墨付きを与えた結果でもあろう。

それでも朝日は責任を認めず、9年3月31日付の慰安婦特集記事では 吉田証言に関して、次のように報じている。

「朝日新聞などいくつかのメディアに登場したが、間もなく、この証言を疑問視する声が上がった」

朝日の前主筆、若宮啓文氏は今年9月に出版した著書で、名指しはしていないものの吉田証言について振り返っている。

「朝日新聞もこれ(慰安婦問題)を熱心に報じた時期があった。中には力ずくの『慰安婦狩り』を実際に行ったという日本の元軍人の話を信じて、確認のとれぬまま記事にするような勇み足もあった」

勇み足とは「やりすぎの失敗」を意味する。失敗と分かっているなら潔くそれを紙面で認め、世界でいわれなき批判を浴びている国民に謝罪すべきではないか。(政治部編集委員)
産経ニュース【阿比留瑠比の極言御免】2013.11.7

<「頂門の一針」から転載>


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