2013年11月22日

◆「朝三暮四」のオバマケア

Andy Chang


「朝三暮四」の故事は、朝に3個、暮に4個のどんぐりを猿に与えたところ、猿が少ないと怒ったので、それでは朝に4個、暮に3個としたら猿が満足したという。これは「朝令暮改」とも言って、命令ガコロコロ変る例えに使われる。オバマがこの故事とソックリな新命令を下して散々な目にあっている。

オバマケアとはオバマの政治生命を賭けた国民皆保険制度のことだが、3年来実施不可能と言われていたのに強引に実施したあと、トラブルはたくさん起きた。オバマはトラブルを解決するため、昨日(14日)問題を解決すると称して新命令を下した。ところがこの新命令で反対の声が更に高まった。

オバマケアは国民皆保険制度で、主旨は保険に加入していなかった4千万人を強制的に加入させ、全国民が医療保険を受けられるようにした。無保険の若者が参加すれば保険費が安くなるという。

だがオバマは低所得層の国民は政府が保険費を払うとした。保険費は国税で払う。そうすると既に17兆ドルを越えた国家負債が更に増え、増税を余儀なくされる。オバマは国民皆保険で国民に強制参加させる法律をつくり、歴史に名を残す野心があった。しかし彼はオバマケアで史上最悪の大統領となるだろう。

●国民皆保険は実施困難

アメリカの医療保険は全国50州が各自の保険制度を作っている。政府の保険ではなく、保険会社が各地方の人口、保険費、医薬、入院料などを考慮して数十種のプログラムを販売している。個人保険もあるが、普通は会社が社員の保険費用を一部負担する。

同じ州でも都市と地方では保険費が違う。それだけに問題は大変複雑なのだ。オバマが統一プログラムを作っても連邦保険を売るのではなく、各州がオバマケアの条件に沿って個別のプログラムを販売する。つまり全国の未加入者が加入しても保険費は安くならないし、貧乏人の政府負担を入れれば保険費が高騰するだけだ。

オバマはオバマケアの宣伝で、(1)個人が保有していた保険と、従来の医者を保留できる、(2)オバマケアで保険費が2500ドル安くなる、と全国行脚で26回も約束した。この二つの確約が二つとも不可能とわかっていたことも判明している。連邦の記録(FederalRegister)によるとオバマ政権は2010年7月で既にオバマケアが実施不能であると知っていたと言う。ウソを承知で実施したのである。

●ウソだらけのオバマケア

10月1日にオバマケアが実施されるとコンピュータートラルでログインできないことがわかった。オバマ政権はこのプログラムに3億3千万ドル以上も支払ったが、実施以来6週間で27000人が契約できただけ。オバマは来年3月末までに全国民の加入、未加入者は罰金を科するが、プログラムに問題があって加入出来ない。

更に大きな問題は、オバマケアの強制条件では保険会社は赤字になるので末期がん患者、持病のある人など5百万人が保険を解約された。新契約では保険費は数倍になる。オバマの確約した保険と医者の保留が出来ず、保険費は逆に数倍になる。

新契約が27000人で解約が5百万人である。しかも来年1月には社員50人以上の会社は社員健保を強制されるので、中小企業は雇用人数を50人以下にする。このため失業者増加と健保解約が1.2億人以上になると予想されている。アメリカの人口は約3億だから1.2億人の解約があればオバマケアは実行不可能ということだ。

●無謀なオバマの解決策

さて、昨14日のオバマの発表した「解決策」とは解約通知を受けた5百万人の契約を「来年12月まで継続する」許可を与えるというのだ。来年11月には中間選挙があるので、オバマケアのため苦戦する民主党員を考慮して年末まで延期するのだが、以下に述べるように問題が山積している。

(1)オバマケアは法律であり、大統領が勝手に延期命令をだす権利はない。違法行為である。

(2)契約は保険会社の権限でオバマに契約、解約の権利はない。各州の保険コミッショナーが同意し、各会   社に通知して実施する。各州のコミッショナーが同意するかどうかは不明。

(3)健保会社が同意してから解約5百万人に通知を送り、契約を延期できる。保険会社は契約続行で大赤字と   なる。

(5)保険契約は1月1日に発効するので、契約変更まで6週間しか残っていない、時間不足、実施不能である。

(6)命令を発布しても実行できなかったら会社の責任でオバマの責任ではないと言う。オバマはパンドラの   箱を開けただけだ。

一年だけ延期の許可を得て、オバマの「健保も医者も保留できる」確約が一年だけになった、一年後は保留できなくなるが、国民が朝三暮四の猿のようにこれで満足できると思っているのか。これぞまさに「朝令暮改」、国民をバカにしている。

●地に堕ちたオバマの名誉と野心

オバマは医療保険を統一して成功すれば功績は歴史に残るといった野望があった。失敗したらオバマの名誉は地に堕ちる。オバマの支持率は39%まで下がり、それが事実となりつつある。

医療保険とは高騰する医療費のため多数の加入者を集めて個人出費を少なくするのである。だがオバマは国民全体を加入させ、不参加者や不参加の会社に罰金、貧乏人の費用を政府補助にした。

無理な条件が山積して、しかもそれを知悉していたのに強引にオバマケアを通し、政党二極化が顕著になった。オバマ独裁で共和党を押さえ続けてきた。結果が今のオバマの失墜である。

オバマケアは来年になるともっと問題が噴出するといわれている。オバマケアで来年11月の中間選挙は民主党惨敗と予想されている。共和党が勝てばオバマケアを廃止するだろう。アメリカ国民のために歓迎すべきである。
    <「頂門の一針」から転載>


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