2013年12月01日

◆「天皇陛下の御日常」を読む

平井 修一


表題は竹田恒泰氏の文章である。氏は昭和50年、旧皇族・竹田家に生まれる。明治天皇の玄孫だ。慶応義塾大学法学部法律学科卒、財団法人ロングステイ財団専務理事。孝明天皇研究にも従事している。著書に「語られなかった皇族たちの真実」がある。

GHQは日本弱体化のために11宮家51名の皇籍離脱を強制した。皇統、皇室制度を守るためには旧皇族の皇籍復活は焦眉の課題である。国家100年、200年の計を考え、早急に取り組むべきである。表題の文章を以下、抄録する。

・・・

天皇陛下が普段どのようにお過ごしになっていらっしゃるか、ご存知ですか?

テレビなどのイメージから、地方や諸外国をご訪問になり、右手を軽く振っていらっしゃるお姿を思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、それは陛下のお仕事のごくごく一部に過ぎません。実は、天皇陛下は日本の誰よりもお忙しい方なのです。

現在天皇陛下が国事行為としてお目通しになり、認可・授与なさる国の重要書類は毎年1200件を超え、さらにご覧になる宮内庁関係の文書は1500件以上にものぼります。

また、内閣総理大臣を任命する内閣総理大臣親任式や、最高裁判所長官を任命する親任式、国務大臣や特命全権大使などの任命を行う認証官任命式はあわせて年間40回を超えます。

さらに、天皇陛下の大切なお役割の一つとして、外交関係のお仕事が挙げられます。

まず、外国使節の接受があります。外国から日本へ来任する大使・公使は、宮内庁の用意する馬車で皇居に参内した後、本国の元首から「日本国天皇」に宛てた「信任状」を捧呈(ほうてい)して、天皇陛下からお言葉を賜ります。

天皇陛下に各国元首からの信任状を捧呈する信任状捧呈式は年間30回を超えます。外国から日本へ来任した大使・公使は本国に戻る際も、天皇陛下よりご挨拶を賜ります。それも同じく、年間30回に達します。

また天皇陛下は、日本から外国へ赴任する大使夫妻にもお会いになります。さらに、任期を終え、日本へ帰国した大使夫妻ともお会いになります。日本と大使を交換する国は百数十ヶ国にのぼりますが、その回数は年間で各30回になります。

つまり、日本と外国の大使・公使とお会いになる機会だけでも年間120回を超えるのです。およそ3日に1度という計算になり、これだけでかなりお忙しい様子がうかがえますね。

ちなみに、天皇陛下が外国の元首クラスとの間で慶弔などのために交わされる親電(電報)・親書(お手紙)は、毎年数100通に達します。

さらに、両陛下は国王や大統領など、外国の元首が国賓として来日すると、どの国に対しても晩餐会を催しになります。第二次世界大戦以来50年間で昭和天皇および今上天皇(現在の天皇陛下)が応対なさった国賓はすでに300組を超えます。また、国賓の他、公賓や公式実務などで来日する賓客についてもおもてなしになります。これは、年間40〜50回行われます。

外国からの賓客をおもてなしになるだけではなく、両陛下が自ら御外遊なさることもあります。平成18年6月には、東南アジア3カ国をご訪問になりました。外交関係樹立40周年を迎えるシンガポールと、タイ国王の即位60周年記念式典への参列のためにタイにお出ましになり、両国訪問の間の週末にはマレーシアでお過ごしになりました。

外国使節の接受から御外遊まで、天皇陛下が日本国の象徴として海外との交流に御尽力なさっていらっしゃることが伺えます。

また、天皇陛下は国事行為として、国家的な儀式・行事にも臨席なさいます。こういった行事は、テレビで放送されることもあるので、イメージしやすいのではないでしょうか。

天皇陛下と皇族方が7回長和殿のベランダにお出ましになり、国民からの祝意をお受けになる毎年1月2日の新年一般参賀、1月中旬に行われる宮中歌会始の儀、そして12月23日の天皇誕生日祝賀の儀などです。その他、年間を通して数々の儀式・行事があります。また、こうしたものとは別に、不定期で行われる行事(オリンピックや万国博覧会など)にも臨席なさいます。

そして、天皇陛下が毎年お会いになる人の数は、我々の感覚では想像もつかないほどです。

陛下は、春と秋に勲章・褒章を受章した各界の功績者とお会いになります。春と秋を通じて勲章関係の拝謁はおよそ30回、褒章は10回行われます。天皇陛下がお会いになる勲章、褒章受章者は、年間1万5000人以上にものぼります。

天皇陛下がお会いになる人々はこれだけではありません。

天皇陛下は、様々な分野で功績のあった人物と、宮殿やお住まいの御所でお会いになります。国会議員や、各県の自治大臣はじめ知事、また、高等裁判所長官・検事長・最高裁判所長官などとも毎年お話しになります。

その他にも、農林水産祭で表彰された人々(農林水産祭天皇盃受賞者)から、少年の補導にあたる職員(全国少年補導職員)、航海の安全のため灯台を守る人々(運輸大臣表彰の航路標識職員)まで、挙げれば枚挙に暇がありません。

また、全国各地から皇居内の清掃活動を行うため訪れる、皇居勤労奉仕団ともお会いになります。平成10年には、305団体、およそ1万5000人の人々が奉仕に訪れました。

つまり、天皇陛下が1年間にお会いになる人の数は、一般参賀を除いても、およそ4万人を超えてしまうのです。

天皇陛下がどれだけお忙しいのかお分かりいただけたでしょうか。しかし、これだけではありません。国民のために行われる国事行為とともに、陛下の大切なお役割として、「宮中祭祀」があります。

宮中祭祀は、天皇家で伝統的に行われている、神道形式の祭儀ことをいいます。毎年恒例のもので19回行われます。その内容は、おおまかには、祖先に感謝し、国家の安泰を願うものと、農作物に関するものとに分かれます。

以上のような恒例の祭儀以外にも、毎月1日・11日・21日の「旬祭」には、天皇自ら宮中三殿を順拝なさいます。また、毎朝宮中三殿に日供(にっく)を捧げます。これは、平安前期(9世紀末)に第59代宇多天皇が始められた「毎朝四方拝」(まいちょうしほうはい)に由来します。

宮中祭祀だけでも、儀式の数はなんと年間400回をはるかに超えるのです。

また、天皇陛下は昭和天皇がお始めになった稲作の行事を続けていらっしゃいます。毎年の春、皇居内でモミをおまきになり、稲をお植えになります。ご公務の合間を縫って稲の生育を見守られ、秋には稲刈りをなさいます。また、皇后陛下も、香淳皇后がお続けになっていらっしゃった御養蚕をお引き継ぎになっていらっしゃいます。

もうお分かりかとは思いますが、天皇陛下のスケジュールは、御用邸でお休みになる時以外は、全て埋まっているのです。

宮殿を舞台に繰り広げられる、こうした様々な行事や儀式は、私たちは日ごろあまり目にすることもなければ、意識することもありません。それを知る機会がとても限られているからです。しかし、今この時も、天皇陛下はお忙しくお過ごしになっていらっしゃるのです。「国民とともにあること」――以上のような忙しさは、ひとえに国民のためなのです。                 (2013/11/26)

<「頂門の一針」から転載>

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