岡田 浩明
東京都の猪瀬直樹知事の辞職表明に伴い2月上旬に想定される都知事選で、安倍晋三首相(自民党総裁)は公明党との連携を重視して候補者擁立を進める考えだ。
ただ、過去の都知事選では、自公両党が推した候補は敗北するという“ジンクス”もささやかれる。政党色を嫌う無党派が多く、知名度が勝敗を分ける「人気投票」の色合いもあるためで、候補者選考は難航する可能性もある。
「公明党とともに勝てる候補を一刻も早く選びたい。都が抱える多くの課題に迅速、適切に対処できる人が望ましい」
19日、自民党本部。選挙を仕切る石破茂幹事長は猪瀬氏の辞職表明を受け、公明党との連携を強調した。公明党の高木陽介都本部代表も同日、「都議会では自民、公明両党が長年、連携しながら都政を運営してきた流れがある。しっかり連携を取らなければいけない」と足並みをそろえた。
「自公連立の源は東京」(ベテラン都議)というほど都議会での両党の結びつきは深い。革新都政に対抗するため昭和54年の都知事選で鈴木俊一元副知事を担ぎ出した当時からとされる。
両党は年内にも候補を決め、年明けには都内各地で相次ぐ各種団体の賀詞交換会などに出席し、知名度を高めて必勝を期す−というシナリオを描いている。
しかし、自公主導で擁立した候補は敗北した例が目立つ。もっとも顕著なのが平成7年の都知事選だ。自民、公明両党は、当時の社会党など3党とともに石原信雄元官房副長官を擁立。組織票で圧倒的優位と予想されたが、結果はタレント出身で知名度に優れる青島幸男氏に惨敗した。
11年の選挙でも自民党は明石康元国連事務次長を立て公明党の支援を仰いだが、得票は69万票にとどまり、石原慎太郎氏の166万票に大きく水をあけられる結果に終わっている。
東京の有権者は1千万人を超え、無党派層が多い。このため「知名度のある候補による人気投票になりがち」(都連幹部)と指摘され、政党色が却ってってマイナスに働く側面もある。
加えて、最近の地方選でも、自公の旗色は悪い。10月の川崎市長選で自公推薦の新人候補が敗け、11月の福島市長選でも自公などの支援を受けた現職が大敗した。首相は地方選敗北にストップをかけ、東京五輪成功に向け都政を与党勢力で固めたいところだが、こうしたジンクスを乗り越えられるかは見通せない。
産経ニュース2013.12.19 22:44