2014年01月13日

◆首相は「竹島の日」式典に出席すべき

松本 浩史


島根県が主催する2月22日の「竹島の日」記念式典に、安倍晋三首相は出席なさった方がいい。それにより、韓国がいかに反発しても、かえって事の本質があぶり出されること請け合いである。「安倍外交」の真価が問われている。

島根県の溝口善兵衛知事は8日、昨年に引き続き、平成18年から主催している「竹島の日」に、首相をはじめ、菅義偉官房長官や岸田文雄外相ら関係閣僚を招待する意向を表明した。

昨年も招待しているから、2年越しの要請となる。溝口氏は出席の有無について「(政府が)どう対応されるかは分からない」と控えめな言い回しをしたが、心中察して余りある。

けれども、ある自民党関係者は「悩みどころだ」と表情を曇らせる。言うまでもなく、韓国の反応を気遣っているのである。ましてや、昨年暮れに首相が靖国神社に参拝した際、韓国は国を挙げて猛烈に反発したばかりだ。

「靖国参拝のときを底とすれば、式典への参加は、その底からさらに足をめり込ませるようなものだ。穴から出られなくなる」

こうした愚かしい論がくすぶっているから、いわく言い難いむなしさを覚えてしまう。

こんなざまを見透かしたように、韓国の外務省報道官は9日の記者会見で、溝口氏の言動について「到底理解できない」と批判し、首相の出席を強く牽制した。

けれども、そもそも、島根県の式典は国内行事であって、その出席者にまで他国があれやこれやと口を挟むのはいかがなものか。内政干渉のそしりは免れまい。

政府は昨年の式典で、首相らの出席は見合わせたものの、領土問題を担当する当時の内閣府政務官を派遣した。「軽量級」の感は否めなくても、政務三役の出席は初めてだった。すべき手段は最低限、尽くしたわけだ。

このころはまだ、その半年ほど前に李明博大統領(当時)が竹島に上陸したことで冷え込んだ日韓関係の改善に向け、首相には配慮があった。3日後の25日には、朴槿恵大統領の就任式を控えており、仕切り直しは可能と読んでいたのは明らかだった。

ところが、今年は趣を異にしている。朴大統領は就任以降、対日批判を繰り返しており、首脳会談が開ける予兆もない。6日の新年記者会見でも、旧日本軍の強制性を認めた河野談話に触れ、「否定する言行が出ている」と発言。首相の靖国神社参拝を念頭に置いているのは間違いない。

だいたい、首相は、式典そのものついて、「県主催」ではなく、「政府主催」の持論を持っている。だからこそ、自民党は先の衆院選でこれを公約に掲げた。溝口氏が会見で「県としては政府主催で開催してほしいというのが重点要望だ」と述べたのも、こうした経緯を踏まえている。

もう少し言わせてもらえば、「竹島の日」は、島根県が平成17年1905(明治38)年2月22日に県内の島だと告示したことにちなみ、条例で定めた記念日であり、国が法律で決めたものではない。

首相の領土問題に関する踏み込んだこれまでの発言に思いを致すとき、条例ではなく、法律によって記念日を明示するくらいの取り組みがあってもよい。

出席したことで韓国が反発したら、首相とすれば好都合である。韓国が拒み続けている 国際司法裁判所(ICJ)への付託に関し、堂々と単独提訴に踏み切ればよい。

「李承晩ライン」という軍事境界線を一方的に設定し、この中に竹島を取り込んだ過去の経緯や、沿岸警備隊の駐留部隊を派遣し、現在に至るまで常駐させていること…。こうした不法占拠の実態が明らかになる。

かつて竹島問題で、こんな例えを読んだか、聞いたかしたことがある。土俵も行司もいないで相撲をとっているようなもので、よしんば勝ったとしても相手は絶対に負けを認めない−。首相の出方次第で「土俵」も「行司」もいる舞台に持っていける。

溝口氏の出席要請に応じてこそ、「領土を先頭に立って守り抜く」との考えを示している首相の真骨頂が発揮されるだろう。
産経ニュース[松本浩史の政界走り書き]2014.1.12
 
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