2014年01月26日

◆通訳の補足説明で誤解!?

内藤 泰朗


<【ロンドン=内藤泰朗】安倍晋三首相がスイス・ダボスでの会見で、日中関係について第一次大戦前の英国とドイツの関係と「類似性」があると発言した−と英紙などが報じた問題で、首相が述べていない内容を通訳が補足説明していたことが分かった。

会見に記者が同席していた共同通信が24日、報じた。首相は日本語で発言し、通訳は「われわれは似た状況にあると考えている」との文言を英語で補足したという。中国などが反日キャンペーンを展開する中、海外への情報発信の難しさを浮き彫りにした形だ。

首相の発言については、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のコラムニスト、ラックマン氏が22日、ブログ記事で「安倍氏は現在の中国と日本の間の緊張状態を第一次大戦前の英独の対立関係になぞらえ『(当時と)同じような状況』と述べた」とし、日中紛争が避けられないかのような印象を与えた。

報道を受け、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は「(首相は)第一次大戦のようなことにしてはならないという意味で言っている。事実を書いてほしい」と反論していた。FT紙は24日付の論説記事でも、「1914年の欧州との比較は恐ろしく、扇動的だ」と批判した。

日本に詳しいFT紙のアジア担当、ピリング記者は「第二次大戦などでも日本に問題があるとの見解が欧米では根強い。日本の知識がない記者ほど、その流れで書く傾向が強い。センセーショナルに書く風潮もある」と指摘した。

一方、日本外交筋は「欧米での報道は一部を除き、事実を伝えるものが多かった。ただ、英国にはかつて反日ジャーナリズムがあった。記者たちが中国によるプロパガンダの影響で反日に走らないよう注意している」と述べた。

情報を発信すれば、それを逆手に取られる恐れがつきまとう。しかし、英国の有識者の間からは、「第二次大戦以降の日本の歩みは胸を張れるものだ。歴史論争の罠(わな)に落ちないよう気をつけながら、恐れず真摯(しんし)な態度で未来志向の発信をしていくべきだ。歪曲(わいきょく)されたものは必ず後で暴かれる」(エクセター大のブラック教授)といった意見も聞かれる。(産経)>

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