2014年02月14日

◆一泊でも国賓待遇で中韓けん制を

杉浦 正章


〜オバマ来日〜


「新型大国論」傾斜で米にクギを刺せ


日本外交はもう少し自信を持った方がよい。国力が衰退気味の米国にしてみれば、GDP3位の日本なしに極東戦略は展開できない。大統領・オバマを国賓待遇とすることは対中国、韓国を“けん制”する意味合いを濃厚にする。例え短期滞在でも国賓待遇とすべきであろう。


また4月の訪日は3月の米中首脳会談の後になる可能性があることも念頭に置く必要がある。今から外交攻勢をかけて、米国が太平洋を2分しかねない習近平の「新型大国論」への傾斜を食い止めるべき時だ。


また米国の懸念する日韓関係修復は大局的見地からこれを推進、日韓首脳会談を事前に実現させて、米国のメンツを立ててオバマ訪日を成功に導くべきだ。


どうも極東諸国は外交を男女間の恋愛のようにとらえる癖がある。日本のマスコミにもないわけではないが韓国は国を挙げてその度合いが著しく、まさに「嫉妬外交」の様相だ。


オバマが日本に来ると聞けば、真っ青になって外相・尹炳世(ユン・ビョンセ)が訪米、「素通りしないでくれ」と懇願するやら工作するやらの醜態。知日派重鎮の元国務副長官・アーミテージにまで泣きついた。アーミテージはさすがに大局が分かる。


大統領訪日だけでは日韓関係がかえって傷つくと判断、ワシントンポスト紙に論文を掲載して、韓国訪問を加えるように主張した。この結果、ことの重大さにようやく気づいたホワイトハウスは急きょ訪韓を付け加えたのだ。


日本は1年前から国賓待遇での訪日を希望して、根回しをしてきたが、その思惑が中国と韓国けん制にあることは言うまでもない。これが1泊2日の滞在になったからと言って取りやめる必要はさらさらない。宮中での晩餐会や、乾杯の写真は「絵」になるのだ。この「絵」を世界中にばらまき、強固な日米関係を演出するのだ。


そこで会談の内容だが、さすがに国務省や国防総省は日米同盟関係の強化維持に異論はない。問題は今は落ち目のオバマの動向だ。11月4日の中間選挙を控えて、何とか点数を稼ぎたいと思っている。ニクソンもそうであったが米国の大統領にとって対中関係改善は、大仕事であるだけに人気につながるのだ。


つい誘惑に駆られるのだ。そこでオバマは昨年11月20日に、側近の大統領補佐官(国家安全保障担当)スーザン・ライスに命じて「中国に関しては、われわれは新型大国関係を機能させるよう目指す(When it comes to China, we seek to operationalize a new model of major power relations.)」と明言させた。


ジョージタウン大学での「アジアにおける米国の将来」と題する講演の中で述べた。この動きはもっとも気になるところである。


と言うのも新型大国論は中国国家主席・習近平が昨年6月の米中首脳会談で唱えたもので、いわば米中のG2による太平洋分割論である。その内容は米中2国が衝突を避け、双方の核心的利益を尊重し、ウインウインの関係を構築しようというものである。


言ってみればアジア太平洋地域を米中の2大国で共同管理しようということだ。ライスは訪米した外相・岸田文男に対しても「米中間の一定の協力」推進に理解を要請しており、どうも臭いのだ。


日本外交にとってよぎるのはあの悪夢である。補佐官・キッシンジャーの隠密外交でニクソンに日本が出し抜かれた米中頭越し首脳会談というトラウマである。


米国にしてみれば日米軍事同盟で中国の外洋進出を食い止めるのがその極東戦略の核心だが、米国でニュースになるのは華やかなる米中首脳の関係改善だ。


大統領副補佐官・ローズは1月29日、オランダで3月24日から開かれる核安全保障サミットで、オバマと習近平が会談する方向で調整に入ったことを明らかにした。会談が実現すれば昨年の会談で習が提案した、新型大国論についてオバマが回答する番でもある。


日本にしてみれば、その存在を差し置いて太平洋を2分割されてはたまらない。居る場所がないことになる。


ここは「まさかそういう事はやりますまいね」と、“ねじ込む”場面であり、少なくとも裏舞台でダメ押しをする必要があるのだ。だから4月の首脳会談に先駆けて調整が必要なのである。米国の国力は衰退しており、米中の力関係を第1次大戦前のイギリスとドイツの関係に見立てる事が国際的に流行している。


しかし見逃している急所が一つある。それはGDP世界第3位の日本の存在である。GDP1位の米国は3位の日本と軍事同盟を維持している限り、2位の中国に優位に立てるのだ。日本の存在は今後増大しこそすれ、衰退することはない。オバマはここを見間違わない方がよい。


加えて首脳会談を日本は“活用”しなければならない。その第1が対韓関係である。国務長官・ケリーによる大統領・朴槿恵との会談で注目すべき箇所が一点だけある。それは毎日だけが報じているがケリーが歴史問題を念頭に「難しく複雑な歴史問題に過度の関心(が寄せられている)」と述べ、関係改善を求めた点だ。


米国は朴槿恵の言動を「過度の関心」と位置づけているのだ。日本の安倍の靖国参拝にも手を焼いているが、朴の“言いつけ外交”にもあきれている証拠だ。韓国は少しは「まずい」と感じているに違いない。


ましてやオバマを無理に招請しておいて、紛れもなく行われる“オバマ調停”に応じなければ、非難の矛先は韓国に集中する。日本と同様に韓国もオバマの“メンツ”を立てざるを得ないことになっているのだ。ここはけんかの仲裁に入る「留め男」が出てきたことを奇貨として、4月下旬をターゲットに両国とも妥協すべきだ。


そのためには安倍もオランダでの核サミットの場を朴槿恵との会談の場に設定してもよいではないか。事実、政府筋によると検討の対象になっているようだ。

     <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック