2014年02月18日

◆これがジャーナリズムです!

浅野 勝人

  
〜為政者にとって「思想友達」は無益というより危険だ!〜
           

 ジャーナリズムは不偏不党をかざして中立公正を求め、「権力と対峙」するのが使命です。そして、ジャーナリズムを支える報道の自由は、高い倫理観と重い責任感を担保に保証されています。その欠落はジャーナリズムであることの放棄を意味します。同時に権力は、何より大切な健全な批判、諫言に耳を傾ける機会を失います。

 利潤の追求が美徳であり、権力に寄り添うことによって利潤を得る環境に育った中小IT企業の経営者に、突然、ジャーナリズムを理解せよというのは無理な相談です。

 NHKは世界一の文化集団です。世界有数の報道機関です。長い歴史の中で、昼夜をいとわぬ修練の積み重ねが、それに恥じない実績を残してきました。ですから、新会長が「ボルトを締め直す」必要があると思ったのはNHKの職員に対してではなくて、実は「自分自身」に対して必要な作業だったのです。知らないのだから無理もないと同情すると同時に知らないということほど恐ろしいことはないとガックリきます。

思想信条の自由は憲法が保証しています。ですから、誰がどんな思想をどんな言葉で公に表明しようが自由です。しかし、不偏不党を旨とする報道機関の諮問、監視役が、自分が応援する以外の都知事選挙の候補者を「人間のクズ」呼ばわりしたり、右翼団体幹部の言動を礼賛するのは論外です。

こうゆう自由人は、個人として自由闊達に発言したり、書いたりできる立場に戻って、言論の自由を満喫してはいかがでしょうか。

第一次安倍内閣の人事では「仲良し政治家グループ」の極端な登用が裏目にでました。その教訓から第二次安倍内閣の人事では、内閣、党ともに安倍色を薄めて成功しました。ところが、政府・自民党以外のポストを気楽に考えたのか、思想友達の登用に気を許してしまいました。

安倍首相は、安倍政権にひたすらおべんちゃらするマスメディアよりも、中立公正と真剣に向かい合いながら安倍政権を批判、諫言するメディアの方が、実は、自らにプラスになる存在だということに気づくべきです。

取材する側と取材される側の両方をたっぷり体験して苦しんだ私が言うのですから間違いありません。

思想友達の安易な人選は、国民の目には「有力野党の不在が、これほど政権の横暴を許すのかと日々驚きを新たにする」(毎日新聞、読者投書欄)と映ります。

長期安定政権を期待する立場からみますと、次の国政選挙を見通しながらゾッとする反応です。但し、市井の人々の率直な感想です。
 
 安倍さん、バタバタ慌てず、もっと、どっしり構えたら如何でしょう。                        (元NHK解説委員、元内閣官房副長官) 2014/02/17


この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック