2014年02月25日

◆ジョン万次郎の帰国

渡部 亮次郎


遭難後、アメリカで英語、数学、測量、航海術、造船技術などを学び、やがて船員達の投票により副船長に選ばれたジョン万次郎が、1851年(嘉永4年)、日本へ帰国を果たしたのが1月3日である。

中浜万次郎 なかはままんじろう 1827〜98 ジョン万次郎として知られる。土佐の中浜浦(高知県土佐清水市)の漁師の家に生まれ、1841年(天保12)14歳のとき、カツオ漁に出て遭難し、鳥島(→ 伊豆諸島)に漂着。無人島の生活143日にして、アメリカの捕鯨船ジョン・ホーランド号に救助された。

船号にちなんでジョン・マンの愛称でよばれた万次郎は、その利発さを船長に愛され、マサチューセッツ州の捕鯨基地ニューベドフォードに伴れた。

この地の学校を優秀な成績で卒業後、ふたたび捕鯨船に乗って働き、ドレーク海峡や喜望峰を越え、太平洋、大西洋、インド洋を巡航、鎖国時代の日本人としては珍しい世界体験をしている。

やがて乗組員の選挙によって副船長に選ばれたが、鎖国日本の外国船撃退が、各国の捕鯨仲間に評判が悪いことを憂い、帰国を決意。

捕鯨の収入と、ゴールドラッシュに湧くカリフォルニアで働いて得た資金で、捕鯨船アドベンチャラー号を買い入れ、1850年12月27日にホノルルを出発、翌51年(嘉永4)1月3日、沖縄の摩文仁(まぶに)海岸(糸満市)に接岸した。

長崎奉行および土佐藩の取り調べを受けた後、藩士に登用されて中浜姓を名のる。万次郎の見聞は、取り調べにあたった河田小竜を通じて後藤象二郎や坂本龍馬にも影響を与えたといわれる。

その後、幕府に招聘されて江川太郎左衛門の手付(秘書役)となり、英語教授、外交文書翻訳などを務めた、1853年のペリー提督の来航の際は、徳川斉昭をはじめとする攘夷派は、万次郎がアメリカのスパイをするのではないかと懸念し、通訳に起用することに反対した。

しかし1860年(万延元)、日米修好通商条約の批准書交換のための遣米使節には通弁(通訳)主事に選ばれ、咸臨丸で活躍した。多感な青春時代にアメリカを体験した中浜万次郎(ジョン万次郎)は、当時稀有(けう)な国際的な視野を持った教養人だったといえる。

艦内での万次郎の存在は大きく、実質的には万次郎が指揮をとっていた。咸臨丸にはアメリカの測量船のジョン・M.ブルック船長らが便乗し、航海の技術指導をしたが、ブルックはその航海の様子を日記につけていた。

咸臨丸において、旧暦2月24日、艦長勝 海舟はサンフランシスコを前にして自信が無くなり、秘かに万次郎に相談をかけた。万次郎は航海上のこと一切を任せてくれるならば、無事着港を引受けると答え、勝は彼に一任
する。

26日カリフォルニヤの山を見、勝は大いに悦(よろこ)び卓絶な航海術には実に感心したと述べた。この話は中浜東一郎が父万次郎の直話とことわっている。勝のことだからこのような事があったに違いない。

距離の測定。万次郎がホノルルから帰国の途につき、琉球近くなった時、ある島を望遠鏡でとらえた。船長は10浬くらい、万次郎は15浬くらいと言う。

しからば測量しようと、オクタントで測量したところ十五浬あったという。  オクタントは原理は同じく六分儀の前身で、90°まで測れる。(略)

万次郎はのち薩摩藩で軍艦操縦や英語の指南役をつとめ、明治政府では開成学校の英学教授となった。

プロイセン・フランス戦争(1870〜71)には、大山巌らとともに視察のためヨーロッパに派遣されたが、その後は病弱を理由に官途を辞した。

2000年(平成12)にアメリカの古書店で万次郎を救出したジョン・ホーランド号の乗組員ライマン・ホームズの航海日記が見つかった。その中には救出された時の様子や船での生活が生き生きと書かれており、万次郎研究の貴重な資料といわれた。(c) 飯田嘉郎
Microsoft(R) Encarta(R) 2006から引用。

ジョン万次郎は、英語を憶えた際に耳で聞こえた発音をそのまま発音しており、現在の英語の発音辞書で教えているものとは大きく異なっている。

ジョン万次郎が後に記述した英語辞典の発音法の一例を挙げると、「こーる」=「cool 」・「さんれぃ」=「Sunday」・「にゅうよぅ」=「NewYork 」等。

実際に現在の英米人にジョン万次郎の発音通りに話すと十分意味が通じる(多少早口の英語に聞こえるが、正しい発音に近似している)という実験結果もあり、ジョン万次郎の記した英語辞書の発音法を参考に、日本人にも発音し易い英語として教えている英会話教室もあるらしい。この項の出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』2008・01・01
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