川原 俊明
佐村河内守氏が実際には新垣隆氏に報酬を支払って、作曲をさせていた事件が巷を賑わせています。
この事件について著作権法上の問題はないかという視点で考えてみましょう。
結論から言うと、佐村河内氏あるいは新垣氏の行為が「著作権違反」になることはなさそうです。
著作権には、大きく分けて、著作人格権と、狭義の著作権とがあります。
本来の作曲者である新垣氏には、著作者として著作者人格権が認められます。著作者人格権には、著作物の公衆への提供等に際し自己の名称を表示する権利(氏名表示権)などがあります。
もっとも、新垣氏は、もともと佐村河内氏から報酬を受けてゴーストライターを務めることを承諾しているわけですので、著作者人格権については放棄していると解釈するのが自然です。
また、佐村河内氏は、新垣氏の作曲した曲をあたかも自己が作曲したものとして公衆に提供しており、一見、新垣氏の狭義の著作権を侵害しているように思えます。
しかし、この点についても、新垣氏の承諾があることから、新垣氏から佐村河内氏に対して、狭義の著作権は譲渡されているものと考えられます。
したがって、狭義の著作権を有する佐村河内氏が著作権侵害をすることはありません。
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