2014年03月27日

◆生身魂3人組の時代錯誤を検証する

杉浦 正章



バッジがないのに老人型思考停止発言


首相・安倍晋三や自民党幹事長・石破茂は「年寄りの強情と昼過ぎの雨はたやすく止まぬ」と考えて“対策”を講じた方がいい。集団的自衛権の行使容認をめぐって高齢者パワーが見当違いに意気軒昂なのだ。


ノーバッジにもかかわらず臆面もなくしゃしゃり出ている。目立つのがハト派宏池会名誉会長の古賀誠と民主党顧問・藤井裕久。目立たないが影で大きな影響力を持つのが元参院議員会長・青木幹雄。共通項は、極東における安保情勢の激変などお構いなしの、絶対平和主義だ。


決して3大老害とか、3馬鹿大将などとは思っていても言ってはいけない。俳句で幽明の間を行きつ戻りつしている高齢者を「生身魂(いきみたま)」と言うが、尊敬して「生身魂3人組」とたてまつるのが正しい。


右代表の古賀は、集団的自衛権の行使容認にまい進する安倍を「自分が首相で権力者だから自分で決めるというのは愚かなお坊ちゃん的な考え方」とこき下ろした。


仮にも一国の首相に「坊ちゃん」とは下卑た表現である。古賀は集団的自衛権の行使を解釈で行おうとする安倍の姿勢を「そういう 姑息なことは絶対やってはいけない。憲法改正で集団的自衛権をどうするかという筋道が正しい」と批判した。


こともあろうに自民党の宿敵共産党の機関紙「しんぶん赤旗」のインタビューに応じ、「憲法はわが国の最高法規です。他の法規を扱う基準と違うのは当然。平和主義、主権在民、基本的人権という崇高な精神は尊重しなければならない。なかでも平和主義は『世界遺産』に匹敵する」と息巻いたりしている。


いまやバッジはなくても反安倍の急先鋒であり、宏池会の会合にも出席して積極的に発言、その影響力を行使している。


おかげで宏池会会長で古賀に近い外相・岸田文雄までが「賛成か反対かという単純な議論というわけにはいかない」などと閣僚では初めて集団的自衛権の行使に慎重論を唱えるに至った。恐らく安倍のはらわたは煮えくりかえっているだろう。


夏の内閣改造では更迭第1号にしようと腹を固めているに違いないし、国のためにもそうすべきだ。外相としての働きも鈍くてひらめきがないから、安倍が前面に出るしかないのが実情だ。


古賀は現職時代よりテレビや新聞への露出度が高い。集団的自衛権の行使反対のマスコミの寵児になって、有頂天になる年でもあるまいが、そうなってしまっている。
 

一方、「集団的自衛権うるさ方」筆頭が参院自民党幹事長・脇雅史参だが裏に青木が居る。脇は法制局長官・小松一郎が「安倍首相は自民党が野党時代に決定した国家安全保障基本法を国会に提出する考えではない」と発言したことをとらえて「法制局長官に法案の提出権があるわけではない。余計なことだ」と切り捨てた。


17日の総務懇談会で「行使容認で何を目指すのか。具体的な事実に基づき議論すべきだ。観念論ではいけない」と石破に噛みついた。


こうした発言の裏では青木が隠然たる影響力を行使しているというのが永田町の常識だ。青木は引退したが脇の所属する額賀派に大きな影響力を持っており、発言は表に出ないが額賀以下一目置いており、頭が上がらないのが実情だ。


生身魂で一番レベルが低いのが藤井だ。その発言を見れば分かる。テレビで「憲法解釈の変更はヨーロッパのマスコミも許せないと言っている」と宣うた。


何で集団的自衛権の行使が常識のヨーロッパのマスコミが日本を許せないと言うのか意味不明だが、とにかく何が何でも反対の姿勢だ。テレビがもてはやすから理路整然と間違った理論を展開するのだ。


冒頭指摘したように、これら生身魂には戦前戦後の激動期を体験した信条としての絶対平和主義がある。日本に戦後70年の平和をもたらした平和憲法を何より信奉するのだ。後藤田正晴的であるが、理論は無骨で後藤田ほどの切れはない。


それに、後藤田ほど先を読める男が、この状態に直面したら、解釈改憲に傾かないわけもない。生身魂に聞きたい。日米韓首脳会談と合わせて、ノドンを日本の防空識別圏に打ち込む北朝鮮の存在をどう考えているのか。


平和憲法があるから日本には核ミサイルを撃ち込まないとでも思っておいでか。軍事費を12.2%も拡大して、4年連続の2けた増をしている軍国主義国家中国が独自に防衛識別権を宣言して、連日のように領海侵犯を繰り返している現実には目をつむっておいでなのか。


要するにに冷戦が終わったと思ったら、今度は極東の安保情勢が激変したのが現実であり、それを脳軟化症のごとく理解できずに、30年も前の絶対平和主義にすがっているのが3人組の実態である。事態の変化に思考が停止したままとなっているのだ。


石破は総裁直属の「安全保障法制整備推進本部」の初会合を31日に開き、集団的自衛権の憲法解釈変更に向けた党内論議のとりまとめに入る。


ここで自民党議員が注意すべきは、既に総選挙の公約に「日本の平和と地域の安定を守るため、集団的自衛権の行使を可能とし、国家安全保障基本法を制定します」と掲げて、284議席を獲得した事実である。


反対論者はマスコミに踊らされるか媚びを売っているものがほとんどだが、「支持率激変の法則」があることを忘れてはならない。いったん行った有権者との公約をほごにすれば、支持層は置いてけぼりをくらい、その怒りが支持率に跳ね返り、もともとの不支持層と合わせて相乗効果で激減する法則だ。


左傾化マスコミに乗ればこの落とし穴が間違いなく待っている。民主党がうその塗り重ねでたったの4%しか支持がない現実に思いを至らせるべき時だ。落としどころは歯止め付きの行使容認しかない。

   <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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