2014年04月14日

◆「核」が日中開戦を抑止する @

平井 修一


人類の歴史は戦争の歴史である。人間が大切にするのは、第1に自分、第2に家族、第3に部族・民族、第4に国家・領土・縄張り・・・といった順だろう。

自分・家族・民族を安全に守るためには「安全圏である国家」を守らなければならない。周りは敵ばかりだから小国では守りきれない。どうすればいいか。

寄らば大樹で大国の属国になる(支那属国の韓国、米国属国の日本のように)、中小国が集まって大国になる(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国、United Kingdom of Great Britain and Northern Irelandのように。イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの「カントリー」から構成されている)、集団を組んで戦力・抑止力を高める(NATOのように)、小国でも武装して抑止力を高める(ハリネズミ国家のイスラエル、スイスのように)。


そんな選択肢があるだろう。

安全圏は広い方がいい。軍事力に自信をつけた中共はアジア・西太平洋に安全圏を拡大したい。自分の縄張りにしたくて周辺諸国との緊張を高めている。同時に海底資源を独占したいと狙っている。特に尖閣諸島周辺には900兆円とも言われる資源がある。中共がさらなる発展を遂げるためにはさらなる資源が必要なのだ。

この地域に覇権を確立し、米国と並立し、あわよくば米国を駆逐したいと思っている。

周辺諸国との緊張、危機は高まるばかりだが、中共にとって危機を高めることはメリットである。防衛省防衛研究所の「中国安全保障レポート2013」から――

<軍事科学院戦略研究部では、国際的危機とは「外交協議を中心とする対立する双方の駆け引きである」と規定している。人民解放軍では危機管理の目標として、

(1)危機を平和的に解決することや戦争へのエスカレーションを防ぐこと、

(2)最大限に自身の利益を追求すること、

(3)危機を起こす源を取り除くこと、

(4)危機を利用して情勢を変化させ、利益の拡大を目指すこと、

という4つが挙げられている>

米露など強い相手に対しては(1)を選択するが、チベット、ウイグル、モンゴル、フィリピン、ベトナム、インドネシアなど弱い相手、日本、台湾、インドなど、もしかしたら勝てそうな相手に対しては(2)(3)(4)を当然選択する。

2008年版の中国国防白書では、「軍は軍事闘争を政治・外交・経済・文化・法律など各領域の闘争と密に連携させ、積極的に有利な安全保障環境を作り、危機を主導的に予防・解消し、衝突や戦争の勃発を抑止する」と述べている。

戦争の危機をなくして「中共が安心できる安保環境を作る」ためには日本、台湾、ASEAN諸国を戦争で、あるいは恫喝で抑えつけて、2度と中共に盾つかないようにするのが一番である。攻撃は最大の防御だ。中共は「戦争の危機をなくすための戦争」を欲している。

これはほとんど自己肥大的妄想だが、中共は世界から己の台頭を邪魔されている、被害者なのだという被害妄想に取りつかれていることがベースにある。

さらに戦争によりナショナリズムを煽り国民の不満をそらすという国内事情もあるから、戦争をしたくて仕方がない。軍人は兵器の威力を実戦で試してみたいとも思っているだろう。

最適な攻撃対象は、支那国民党軍や中共軍がほとんど勝てずにいた日本である。日清戦争以来の屈辱を晴らしたいこともあるし、日本はすぐに降伏することはないから、いろいろな兵器を試せるというメリットもある。今は好機だ。

中東から逃げ始めたオバマ米国は金欠・厭戦で無能だし、中共が尖閣強奪で日本を襲撃しても、核攻撃の脅しをかけても、米国が何もしないことは確かだ。日本の本土が核攻撃を受けたところで米国が報復できるはずがない。

中共は「米国本土に核ミサイルを1発打ちこめば50万人が死ぬ。報復でたとえ我が国は3億人死んでも構わない。人口はすぐに回復する」と言っている。漢族は爆発的に繁殖するから国民が大量に死のうが平気である。そもそも中共は国民を守ることに関心はなく、唯一、中共独裁を守ることが政治家、党員、軍人、官僚ら独裁で利権を得ている者たちの使命なのである。


大統領がオバマであってもマケインであっても50万人の米国人の死は耐えられないから、中共の脅しに屈するしかない。日本に「核の傘」はないのだ。あると思っていたのは幻想だ。

中共の日本攻撃を唯一止められるのは「核武装」である。在米ジャーナリスト伊藤貫氏の言葉――

<筆者は今まで何度か日本の雑誌に、「日本はアメリカの核の傘に依存してはいけない。日本には自主的な核抑止力が必要である」と書いてきた。

最近、ある著名な日本の親中派政治家が北京を訪れて、中国政府の知日派官僚と懇談していたとき、この中国の官僚は筆者の論文を厳しく非難して、「われわれ中国人にとって、日本が核を持つことくらい嫌なことはない」と述べたという。

筆者はそのことをこの親中派政治家から聞いて、正直言ってうれしくなった。「中国政府がそんなに嫌がっているなら、日本は自主的核抑止力を持つべきだという僕の主張は、そう的外れのものではないのだ」と感じたのである。

中国政府は2020年代に日本を中華勢力圏に併合することを企んでいる(注1)。もし日本人が中国の属国民になりたくないのなら、自主的な核抑止力を構築することである。それが「中国にとって一番嫌なこと」なのである>(「中国の核が世界を制す」)

日米同盟を解消すべきだとは思わないが、核の傘がないことは100%確実である。日本の自主的な核抑止力保持に米国は協力しないだろう。米国は強い日本を望まない。日本は極秘裏に自主開発するには時間がかかりすぎるから、核弾頭ミサイル一式をインド、イスラエルあたりから購入することも考えてはどうか。(つづく)(2014/4/12)

              ・・・

注1)「中国の核が世界を制す」から。

<表向きは「平和的台頭」を唱える中国政府が、実際には「アジア最強の覇権国となり、19世紀初頭の広大な中華勢力圏を取り戻す」という国家戦略を着実に実現しつつあることは、日本にとって非常に危険な地政学的要素となっている。

日本がこの中国の国家戦略に対する対応策を間違えれば、2020年代の日本は独立国でなくなってしまう――つまり中華勢力圏内の衛星国「東夷・小日本」になってしまう可能性がある。

1990年代の中頃、中国の李鵬首相はオーストラリア首相に、「日本などという国は20年くらいあとには消えてなくなってしまう国だから、まともに相手にする必要はない」と語ったといわれる(注2)。

中国政府はいずれ台湾と日本を中華勢力圏に編入・併合したいと本気で考えているから、この李鵬首相のコメントはそれほど奇異なものではない。実際に、中国の周辺国であったチベット、ウイグル、内蒙古、満洲は中国に併合されて「消えてなくなって」しまった。

勢力圏拡張主義者である現在の中国政府首脳部にとって、「台湾を併合したい。朝鮮半島を保護領にしたい。戦前、中国を侵略した生意気な小日本を中国の属領にしたい」と願うことは、彼らの伝統的な価値観である中華主義、華夷秩序と強烈な反日ナショナリズムからすれば、ごく自然な思考である。


ただし、李鵬首相が望んだ「20年くらい後」という時期は、いささか時期尚早であろう。2015年頃の中国の軍事力と外交力は、米国の覇権をアジアから駆逐するだけの能力をまだ獲得していないだろう、と分析されているからである。

しかし2025年頃となれば、話は別である。2020年代になると中国の実質的経済規模と軍事支出規模が、アメリカをしのいで世界一になっている可能性が高いからである>

注2)参議院 (1996年11月8日)「参議院会議録情報 第134回国会 国際問題に関する調査会 第2号」

参議院議員笠原潤一:米国人の方はどちらかというと日本人よりも中国人の方に親近感を感じているわけです、長い歴史の上からいっても。中国人社会がいかにアメリカの中に溶け込んでいるかというのは日本人社会以上ですから。

そういう点からいえば、時々は米中はぎすぎすしますけれども、お互いの話というのは、コミュニケーションというのは非常にいいわけです、これはもう第二次世界大戦の例を見てもわかるように。

ですから、その点では我々はそういう点をもう少し認識しないと、日米というよりも中米の方が本当を言えばタイトなんですよ、いろんなことからいって非常に関係が深いわけですから。そういう点で、その点もしっかり把握しておかないと日米という問題は将来大変なことになるだろう。

この前、ちょうどAPECを控えて、我が自民党で御承知のようにAPECの問題でアメリカとオーストラリアに行ってもらったんです。そのときに、オーストラリアのキーティング首相がこう言ったんです。

「中国の李鵬さんと会ったらどう言ったかといいますと、日本とのいろんな話をしたら、いや日本という国は四十年後(平井:20年後、30年後説あり)にはなくなってしまうかもわからぬと」、そう言ったというんです。これはうそじゃありません、これはほかの先生みんな行って言っているんですから。それくらい軽視されているわけです、ある意味では。

          
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