2014年05月02日

◆ビッグ3が煽った反捕鯨

渡部 亮次郎


アメリカの自動車メーカー「ビッグスリー」こそは日本等の望む捕鯨に対して、資金を出して反対運動を煽った元凶である。排気ガスに対する反対運動に正面から向き合うことを避け手方向を間違えた事が今日の危機を招いたのだと思うと、ビッグ3の救済問題には複雑な陰がある。

このことについてはフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』も指摘している。

<この問題は一時期、欧米諸国の自然保護団体を始め、彼らに同調した自動車産業団体や、農産物生産者等によって利用され、日本人に対しての人種偏見や反日運動ジャパンバッシングなどの一つとして、過激な運動やパフォーマンスも行われた。>

1970年代から80年代の前半にかけて私は園田直(故人)の下で外務大臣や厚生大臣の秘書官として、捕鯨反対運動に直面した。ワシントンDCでは外務大臣一行の車列にデモを掛けられたことがあり、担当の経済局幹部は欧州での国際会議で反対グループに生卵をぶつけられたりもした。

そこで私はワシントンに留まって背景を詳しく調査してみた。その結果、驚く べき事実が判明した。ビッグ3が、自らに向けられた公害問題とくに排気 ガスの排出責任を追及するラルフ・ネーダー主導の反自動車運動とも言え る消費者団体の攻撃を一時的に回避するため、彼らに莫大な資金を提供 し、運動のうねりを捕鯨反対に向かわせて煽ったのである。

その結果、クジラの巨大な脳容積や、音波によって同族間の緊密なコミュニケーションをとっているらしいこと、ヒトと同様の哺乳類である事を挙げて、「知能が高い動物を食べるのは残酷である」と食のタブーとする意見が高まるなど資源としてのクジラ問題を離れた問題に捻じ曲げられる結果になった。このため捕鯨問題は感情問題に発展し、解決を一層難しくしている。

最近、反捕鯨の運動にも参入しているグリーンピースやシーシェパードといったNGOの活動船と日本やノルウェーなどの捕鯨船とのトラブル、特にシーシェパードの暴力的な示威活動。

日本国内の世論の多数は捕鯨自体に積極的に賛成というよりは、他国による自国文化への干渉に対するナショナリズム的な反応として反捕鯨を非難することが多い。

今でこそビッグ3と反捕鯨は無関係だが、ビッグ3は反捕鯨運動に資金を投入するよりは低燃費や小型車の開発に頭を切り替えるべきだったのに、遠い将来を考慮できないアメリカ式経営としては止む を得なかったのだろう。

一方、オーストラリア政府は牛肉の輸出量の減ることを恐れての捕鯨反対運動支援である。

この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック