「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
<平成26(2014)年5月5日(月曜日)弐:通巻第4218号>
〜オバマ大統領のアジア歴訪は「失敗」だったのか?
フィリピンと新軍事条約を締結、米保守派は賞賛した〜
ニューヨークタイムズなど左翼系メディアは「オバマの日本訪問は失敗だった」と書いた。理由はTPP交渉が妥結しなかったからだという。日本の新聞もおしなべて評価が低い。これはどうしたことだろう?
第一にオバマは日本で「尖閣諸島は明確に日米安保条約の守備範囲にある」と言ったのである。これは日本外交の久しぶりの勝利であり、TPPと引き替えにしなくても、最低限度の防衛義務を米国は果たすと約束したのである。
第二に韓国では北朝鮮の軍事的脅威を目の前にして2015年に韓国に移管される筈の最高指揮権(つまり在韓米軍の指揮は2015年から韓国軍に委譲される)とした約束を、オバマは「延期は可能」と発言した。
このことに注目すべきである。
第三がフィリピンである。
中国の軍事的脅威が実際に領海侵犯、フィリピン領土の侵略という中国の横暴を前にして、昨年からフィリピンが要請してきた「米比安保条約」を締結したことだ。
これをウォールストリートジャーナルは4月28日付けで、「賞賛に値する」としたうえで「10年の新軍事条約は領域の安全保障に寄与する」、「不動の(ironclad)の態勢」と書いた。
もっともオバマとアキノ両大統領は共同記者会見で「この条約は中国を念頭においたものではない」などと発言していたが。。。
皮相なTPPしかみなかった日本のメディアはやっぱり頼りない?