「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
<平成26(2014)年5月16日(金曜日)通巻第4233号 <前日発行>
〜野村證券も中国不動産バブル崩壊を分析
不動産がGDPの16%を占める中国経済はGDP成長6・8%に減速〜
中国経済に楽天的未来図を提示し中国投資の推進役でもあった野村證券も様変わり。
むかし、この野村證券の香港にいたウイリアム・オーバーホルト(ハーマンカーンの高弟子)と議論したことがあるが、氏は中国経済の興隆とますますの発展を疑っていなかった。
その野村證券がさきごろ発表した予測では「中国不動産バブルの破裂がはじまっており、GDP成長率は減速する」とした。
第一に不動産市場が下落傾向にあることは誰も否定できず、これを回避する可能性は殆ど見えてこない。
第二に中国政府の発動する政策には限界があり、景気刺激策にむしろ政府は消極的である。
となると住宅投資の債務解消どころか、現在の金融政策が続けば債務が加重され、GDP成長率は6%台に落ち込む。
第三に不動産市場の価格下落とともに販売件数も落ち込みを示しており、いまGDPの16%を占める不動産ビジネスが落ち込めば経済全体へ与える影響は測り知れないだろう。
第四に住宅投資をもし増やしても将来の債務問題が劇的に解決することには結びつかない。
第五に通貨供給量を増加させるため預金準備率を0・5%引き下げても、GDPの減速は止まらず、ようやく7・4%台にとどまる程度であろう。
第六に不動産市場の崩落までに時間的余裕は1年と見込まれ、2015年に中国のGDPは6・8%へと減速するだろう。
この野村證券の見立てはやや楽天的であり、実際の不動産、建設業、ならびにゼネコン、金融機関の総体をあわせた中国経済の不動産への投資依存はGDPの47%と見積もられ、不動産バブルの崩壊はすでに開始されているが、いまのところ瓦解速度が緩慢な理由は償還のための融資が継続されているからだ。通貨供給量がGDP成長率の二倍もなされているからである。
こうしたパッチワーク的政策にも限界があり、大暴落は時間の問題、そのときのGDP成長率はおそらく5%を割り込むだろう。