2014年06月19日

◆国権の最高機関の責務放棄の言動

宝珠山  昇


近年の国際戦略環境の激化に対応しえる自衛権行使体勢を構築しようとする安倍政権の提案を「拡大解釈される恐れがある」とか「警察権の行使で対応しうる」などと主張して、国防体勢の充実を妨害しているように見える政治家、政党があり、これを支える学者、元官僚などが、いまだにいるのは残念である。

彼らの言動は、国権の最高機関の責務を放棄し、将来の構成員の判断能力に疑念を呈し、その権利を剥奪するするに等しい越権行為であろう。のみならず、他国を利するものでもあろう。

言うまでもなく、国防、すなわち、国の独立、存立、安全、繁栄、国民の基本的人権が根底から脅かされる事態の発生を未然に防止することは、古来より、国の指導者層の最大最高の責務である。

近年、「警察官」が弱体化し、「ならず者」が横行、不法行為などを繰り返している国際社会、周辺情勢の実態を確りと見つめ、これらに対応しえる国防体勢を構築するのは、いま国権の最高機関に席を置く人間の責務である。

「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される恐れ」を防止する行為を禁止する憲法などあるはずがない。これは人類の数千年の歴史に照らせば明明白白である。

その恐れがあるか、否かを判断するのは、その時に国権の最高機関に席を置く者の最大最高の責務である。その判断基準をあらかじめ示すことは、「一寸先は闇」のことわざの教える通り、古来より何人にも不可能なことである。

仮に、そのような基準を示したり、行動を躊躇などの一端でも匂わせるならば、他国に悪用されることは目に見えている。

竹島が韓国によって不法占拠されたのは、領土が明白に侵害されたにもかかわらず、「自衛権行使の三要件」に従ってか、他国におもねってか、海上封鎖などの対応措置を適切に発令しなかったからであろう。英国はフォークランドへの侵害に即刻対応してこれを確保した。

先進国水準に適う適時・適切な自衛権行使体勢は、閣議決定や法律が制定されても、すぐに充足され、実効が出るものではない。

これらを充足するためには、その身命を国のために捧げる奉公精神を身に付けた多数の若い国民とそれを支える知力、装備、補給、施設、訓練などが必要不可欠である。これには、多くの国民が、国を守る義務を現場で引き受ける人々を支持し、処遇する環境が醸成される必要がある。

しかし、一般論として、多くの政治家も国民も、個人的には自衛権行使の義務を履行しなければならない現場には携わりたくない、むしろこれを回避する道を指向しがちであろう。少なくとも戦後左翼などはこれらを称揚し、自らの利権増進に利用して、日本の独立度の向上を遅らせてきている。

20余年前、国際貢献態勢の整備にかかわったが、戦後左翼のみならず、その現場に行かされるかも知れない自衛官の父母、兄弟姉妹、戦場経験のある親戚や知人などから、“お前は俺達の子供を戦場に送るつもりか”などと責められたこともあった。現在の国際環境の厳しさは、この時の比ではない。

現在のわが国の防衛環境は、「恐れがある」を拡大解釈されるとか、「警察権で対応できる」とか、「集団的自衛権の行使は憲法改正で行うべき」とか、の抽象論を超えて、国家生存確保の原点に立ち返って、憲法を運用し、法律を制定できる成熟した先進民主国家水準の国防論議を要請している。70年近くにわたって一言半句も修正できなかった「憲法改正」にかかわらせて、国防体勢の改善を論議するのは責任回避の言動である。

これらを支持している国会議員、元官僚、憲法学者、評論家などは、日本の生存環境の厳しさ、国際社会の実態を軽視し過ぎているか、意図的に無視しているように思う。現代の国際社会では、憲法や法律や言葉や口先では国は守れない。

我が国を取り巻く国際環境を厳正に見つめ、国防の現場に参加する要員とこれを支える知力、装備、補給、施設、訓練が十分に確保できる環境の整備に論議の焦点を移すことを希望する。自衛権の行使に行き過ぎや拡大解釈の恐れを感じたらその時に立ち上がればよい。

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