2014年06月23日

◆中国金融危機発生の可能性60%以上

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
 

<平成26(2014)年6月23日(月曜日)通巻第4277号  <前日発行> 

 〜中国の金融危機発生の可能性は60%以上
  FEDの金融引き締めも切っ掛けになりうると中国の経済学者ら〜

「1兆ドルをこえる米国債を保有する我が国は、なぜこれを売却できないのか」という金融上の大矛盾を中国は抱えている。

もし中国が米国債を売ったらドルが暴落し、中国の抱える債権、株式など全体のドル債権の価値が激減するからだ。こうした「正しい」認識は中国の金融トップが共通して持っている(ファイナンシャルタイムズ中国語版、6月20日)。

外貨準備高は「ほどなく3兆9000億ドルにせまるというのに」(英紙ファイナンシャルタイムズ)、この矛盾した中国の金融状況を日高義樹氏は「ドルの罠におちた」と比喩した。

ならば人民元の「国際化」はどこまで進んでいるのか。

国際取引の決済通貨として人民元のシェアは世界第7位まで躍進した。米ドル、ユーロ、英ポンド、スイスフラン、日本円(第6位は豪ドルかカナダドルだろう)に次ぐが取引シェアはまだ1・4%しかない。

人民元の通貨取引は香港、シンガポール、日本、そしてロンドンとフランクフルトでも行われ、例の「通貨スワップ」はロシア、マレーシア、ブラジルなどとも行っている。中国の軍事的目標はアジア太平洋における覇権の確立であり、通貨体制ではドル基軸体制(すなわちブレトンウッズ)に挑戦すると豪語してきた。

「エマージング・アドバイサー・グループ」のジョナサン・アンダーソン(元UBSからゴールドマンサックス、中国語、ロシア語に堪能なエコノミスト。ファッション界の大物と同名異人)が警告する。


そもそも中国共産党高官は海外資産をドルで保有しており、庶民は人民元をすぐさま外貨に換えるか金に換えようとする。この大矛盾が継続している限り、人民元がハードカレンシーになることは考えにくい。


 ▲金融危機が発生する確率は60%を超えた

あまつさえ「中国農業銀行のチーフ・エコノミストの向松祖が「中国4大銀行は金融危機の嵐に直面しており、中国で金融危機が発生する確率は60%を超えた」と警告している(華風新聞、6月20日)。 

向松祖チーフがあげた中国金融危機の四大難題とは「シャドーバンキング、地方政府債務、産業再編の遅滞と錯誤、そして不動産価格の暴落」だが、くわえて米国FEDが国債購入ペースを月平均850億ドルから750億ドルへ引き締め、過剰流動性が失われるおそれがあり、人民元は弱含みになった」とした。

清華大学の李稻葵・経済学院教授は、同様に「中国の商業銀行の倒産が始まるだろう」として、三つの要員をあげた。「シャドーバンキング、地方政府の融資平台の債務爆発、そして私募債など資産の証券化が不要債権化するのは時間の問題ではないのか」
  
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