2014年06月26日

◆海江田は左翼片肺で五里霧中を飛ぶ

杉浦 正章



「降ろし」は長期化の様相
 

ふがいないのは民主党で政権を担った6人衆だ。両院議員総会では「うん」とも「すん」とも言わなかった。


とりわけ元代表・前原誠司と前外相・玄葉光一郎は、最近威勢よく「海江田降ろし」を打ち上げていたにもかかわらず、一言も発しなかった。まるで国政選挙大敗北の脳しんとうが続いているかのようであった。


7月下旬に総括の場が設けられるが、民主党代表・海江田万里に続投を押し切られるのが落ちだろう。民主党は、党首としての限界が明白となったにもかかわらず左派・リベラルが担ぐ海江田の左翼片肺飛行で五里霧中を行くが如しである。支持率4〜5%とと低迷する党勢回復など当分夢のまた夢のようである。


そもそも「海江田降ろし」の口火を切ったのは玄葉だった。海江田が昨年夏の参院選直後に党の体制建て直しについて「結果が目に見える形で出てこなければ、皆様に民主党を代表する立場を恥を忍んでお願いすることはない」と発言したことをとらえたのだ。


玄葉は「民主党が政権に再挑戦するにふさわしい体制をそろそろ築かなければいけない。そのためには代表選が行われることが望ましい」と代表選1年前倒し論を唱えたのだ。


玄葉と歩調を合わせるかのように右寄りグループを率いる前原誠司も「代表は成果がなければ辞めると公言した。総括はきちんと行ってもらいたい」と述べるとともに、橋下維新と将来合流する可能性について、「100%だ」とまで言い切った。


両者の発言が注目された24日の両院議員総会では、中堅若手ばかりが発言。発言者20人の内代表選前倒し論と海江田責任論はわずか5人。海江田への明確な支持もたったの1人だった。6人衆は欠席の枝野幸男を除いて、野田佳彦、岡田克也、安住淳ら5人もがん首を揃えていながら発言ゼロ。


この結果両院議員総会での「海江田降ろし」は事実上不発に終わったのだ。海江田は続投に自信をつける結果となった。


海江田は党運営を総括するための場を「7月下旬に設ける」と約束、それまでに同月15日から訪中するなど、続投の既成事実を固める構えである。党内では「夏休み中に人が集まるか」といぶかる声もあるが、そこが海江田の狙いかも知れない。


こうして当面は海江田体制が継続する可能性が強まっているが、党内右派の不満はうっ積した。ほっとしているのは海江田を支える左派だろう。


民主党内の勢力は衆院56人、参院59人と参院の方が多く、参院には連合など労組出身の議員が多数を占める。その元締めが日教組出身の副議長・輿石東であり、輿石は海江田支持だ。衆院にもリベラル系は20人弱いる。執行部はこうした左派で固められており、海江田は御輿として担がれているだけだ。


かつて小沢一郎が中曽根康弘を田中派が担ぐに当たって「御輿は軽くてパーがいい」と述べたが、似たような状況ではある。左派の強みは党規約にリコールの規定がないことだ。代表選前倒しをしようにも両院議員総会では左派が優勢であり、よほどの事態がない限り難しい。


一方右派は7月下旬の総括に向けて態勢を固めるのだろうが、6人衆が動かなければ巻き返しも難しい。右派にとっての強みは党内が「海江田では総選挙は戦えない」という空気が濃厚なことであり、それには長期戦もやむなしとせざるを得ないのだろう。


「結局来春の統一地方選の結果を見るしかあるまい」という声が出ている。ということは統一地方選を海江田でやって、惨敗した上でないと、「海江田降ろし」のエネルギーが出てこないというわけだ。


その上で来年9月の代表選を数か月繰り上げて新代表を選出、総選挙または衆参ダブル選挙に臨む体制を築き上げるというわけだ。


これに維新などの政界再編の動きがどう絡むかだ。前原と橋下徹の接触は陰に陽に重ねられてゆくものとみられる。今のところ前原は維新を民主党に吸収合併するポジションを変えていないが、党内対立が激化すれば弾みで分裂する可能性もなしとはいえない。


いずれにせよ海江田の党運営は厳しいものがある。

     <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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