2014年06月30日

◆世界の報道は日本の普通の国化と好感

杉浦 正章
 


集自権で日本のマスコミの極論は浮いている
 

明日1日の閣議で集団的自衛権行使を限定的に容認する新たな憲法解釈が閣議決定される方向だ。日本にとって安全保障政策上の歴史的大転換となる。


極東の安保環境の劇的変化を無視して一国平和主義的な主張を繰り返し続けている朝日、毎日、東京、TBSなどの言論機関は完全にその洞察力と判断力において読売や産経に敗北したことになる。


リベラル系の主張は「日本が戦争する国になる」に始まって、秘密保護法案成立の過程と全く同じ“風評化”を意図した極論の展開であった。これらのマスコミは土着的近視眼体質をいみじくも露呈したのであって、世界の世論とは著しく性格を異にする。


世界の言論機関の集団的自衛権の行使限定容認に対する評価は高く、日本がようやく「普通の国」になったという判断である。


紛れもなく日本の安保政策の大転換は、自律的でなく多分に他律的である。北朝鮮による核ミサイル開発が完成段階に到達しつつあり、日本の都市を名指しで攻撃対象にあげるといった事態。


中国による防空識別圏の設定、領海進入など海洋覇権主義の臆面もない展開など、冷戦期を通じてもなかった直接的な脅威が極東に存在するに到ったからである。中国のケ小平は日本の経済支援を必要とするうちは、 韜光養晦(とうこうようかい)路線を取った。韜光養晦とは、光を韜(つつ)み養(やしな)い晦(かく)すことだ。


「中国は国力の無いうちは、国際社会で 目立った行動をせずに、じっくり力を蓄えておこう」というものであったが、GDPが急上昇を続ける2009年ごろから修正されはじめ、2011年の統計でGDPが世界第2位の座を日本から奪ったころから事実上韜光養晦はかなぐり捨てられた。


南シナ海や東シナ海での覇権行為はドイツのフランクフルター・アルゲマイネ紙に「協調性に欠ける中国が同地域で『陶器店に迷い込んだ象』のように振る舞っていることは否定しようがない」と形容された。「近隣諸国に対し,かつての帝国主義国のように行動している」と断定している。


朝日や毎日はこのような冷徹な物の見方をするドイツ紙の爪の垢(あか)でも煎じて飲んではどうか。
 

世界の論調は総じて中国の軍事費が10年間で4倍に達するという異常事態の中で、日本が抑止力を強化することは無理からぬことであり、そのための集団的自衛権の行使限定容認は当然のことと受け止めている。


とりわけ首相・安倍晋三が提示した邦人護送のための米艦防御など15事例について「こんなことまで日本は規制されているのか」という論調が濃厚である。世界のマスコミから見れば日本で行われている集団的自衛権行使の是非をめぐる論議は、まさに神学論争そのものと映っているようだ。


例えば公明党との調整で「国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合もある」を公明党が「場合があるに変えよ」と主張して、そうなった例などは意味不明の神学論争の極みであり、政党間の言葉遊びといってもよい。
 

世界のマスコミが直接的、間接的に一致して強調するのは「日本が普通の国になる」ということである。


ウォール・ストリート・ジャーナル紙は「集団的自衛権で日本は「普通の国」へ、東アジア安保に寄与」と題する社説で「集団的自衛権の行使を容認すれば、日米安全保障同盟をバランスのとれたものにできるだろう。


憲法解釈の変更を踏まえて日米防衛協力の指針(ガイドライン)が改定される。そうなれば自衛隊は、北朝鮮や好戦的になった中国から米国向けに発射されたミサイルを迎撃したり、包囲されている同盟国の艦艇を支援したりできる」と歓迎。


加えて「日本の集団的自衛権は国際法の下で主権国家の権利として認められている。日本が「普通の国」になるための重要な要素だ」と強調している。


要するに世界の常識が通用する国になるということだ。さらに今後の展開の可能性として「日本、ベトナム、フィリピンの枢軸が強化されれば、東アジアのリバランス(再均衡)につながり、中国の侵略行為に対して互いに積極的に支援する非公式同盟が生まれるだろう」とまで予測している。


一方で米紙ワシントン・ポスト紙は解釈変更について「オバマ政権にも支持されているこの変更は、道理にかなっている」と評価した。


オーストラリアのオーストラリアン紙は「安倍総理が集団的自衛権容認のために現行の憲法解釈の変更を望んでいるのは,日本が安全保障戦略で孤立することを防ぐためだ。」と分析するとともに「たとえ日本が直接的な脅威にさらされなくても,日本は米軍や豪州軍などを援護できるようになる」と期待感を表明している。


このように世界各国のマスコミは、日本が国連憲章の核である集団的自衛権の行使を限定容認することへの理解を見せている。日本の一部マスコミのように「日本が戦争する国になる」「徴兵制が導入される」「アメリカの戦争に巻き込まれる」などという常識外れの極論はさすがに見られない。


国務省元日本部長のケビン・メアが 「集団的自衛権を日本が行使することは日本自身が決めること」と述べている通りである。安倍政権が“独走”することはまずないし、他の政権が独走しようとすれば、国会の事前承認という最大の「歯止め」がかかっていることなのである。

  <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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