2014年07月12日

◆株主総会は面白かった

池田 元彦


例年6月末は、株主総会が集中する。全上場企業3,430社中、66%の企業が3月決算という事もあるが、特に最終週の最終平日に株主総会が同時開催されて来た。その大きな理由は、総会屋が同時に多くの株主総会に出席出来ないようにするための企業防衛の一環策だったのだ。

総会屋が仕切ったのは1070年代だ。ピーク時で8千人、今では400人程だ。数度の商法改正による利益供与厳罰化、企業、株式の国際化による外国投資家の購入比率の拡大、経営のガバナンス監視等で、総会屋の活動が制限され、個人投資家と経営者の対話の場となりつつある。

自らは非上場の中堅ソフト開発会社の役員として10名も居ない内輪の取締役、監査役と一部の大株主だけの経営側出席経験と、社団法人事務局責任者として総会の取り纏め、議事進行の経験はあるが、今年初めて株主として大手4社程の株主総会に参加してみた。何事も経験として。

2年前は上場全社中18%がインターネット議決権行使を選択出来たが、今年は、大半が行使可能になっているようだ。ある大手証券会社では、6%未満の株主が、議決権の70%以上をインターネットで株主が行使したとの説明があった。私は従来からインターネット議決派だ。

30年前、総会屋介入でソニーの株主総会に12時間半も要した。今回出席した全ての総会は、午前10時に始まり、粗2時間から2時間半以内に終了した。

内2社の総会で、老齢の男性が総会前、総会中にクレーム騒ぎを起こしたが、速やかに退場させられたのを、各1件見た程度だ。

今の総会は、社長自らが議長となり最後迄総会を仕切っている。企業を統率する以上当然とはいえ、昔は司会や社長代行で専務等が議長をしていたようだが、望ましい変化だ。又映像、ビデオで業績を簡潔明瞭、視覚的に説明するのも現代的でよい。質疑応答の場内放映も望ましい。

総会は、昨年度業績に基づく利益配当案、及び新役員人事決議等を決議することが趣旨だが、議決は、90%以上の賛成で経営側議案が確定しており、総会会場での賛否は全くの儀式に過ぎない。だから質疑応答は悪く言えばガス抜き、良く言えば経営と株主の年1回の対話の機会だ。

よって、総会の殆どの時間は、株主との質疑応答に割かれ、1人2問迄3分以内の質疑とされる。株主質疑には、国会質疑同様、前提知識もないレベルの低い質問から、経営の急所を突く質問もある。銀行や証券会社は、支店現場でのサービス対応問題等の正当なクレームも散見された。

会場には定年後の老人が大半だ。40代前後の働き盛りのビジネスマンも多く、株式投資が日本でも一般化していることが認識できる。壇上に駆け上がれない様、4社とも正面及び脇も板張のバリケードが設置してあり、加えて社員及び警備会社職員が常時見張っている総会もあった。

総会に出席せず、只単にお土産目的で、受付に来る株主が結構目立った。株主の権利かも知れないが、来た以上は出席すべきと、義憤?を感じたのは私だけだろうか。電力9社の株主総会は、原発停止や利益計上等に絡んでの株主提案議案が多く出され、全て否決されている。

株主の原発知識は読めないが、原発無くしては潰れることは目に見えている。日本の将来を考えれば、極めて正常な感覚だ。原発各社が頑張って欲しい。

日本国民は、まだまだ利息が無きに等しい定期預金に拘っている が、株式投資は自己責任を承知した上で、銀行を通さず直接企業経営に一 票投じられるのだから、資産ポートフォリオに一定割合を組込むのも一案 である。
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