2014年07月13日

◆米中は明確な対決時代に入った

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 


<平成26年(2014)7月11日(金曜日)通巻第4291号 >

 〜米中は明確な対決時代に入った
   北京の米中戦略対話、まったく意見がかみ合わず物別れだった。〜


日本のマスコミは奥歯に物が挟まるような書き方だった。北京で開催された「米中戦略対話」である。

習近平が出席し「新しい大国関係」を強調したが、中国側の主役は王洋(政治局員、副首相格。序列9位)だった。米側はケリー国務長官だが、はっきりと「ハッカー」攻撃により米国の機密が盗まれていると中国を非難した。

王洋はかつての中国側責任者、王岐山にかわって戦略的政治の先頭に立ち、王岐山は、むしろ経済畑を離れて、目下、反腐敗キャンペーンの 責任者。習近平の権力固めの黒子に徹している。軍高官にメスを入れた影の立役者は、この王岐山(政治局常務委員、序列6位)。

 同時期、ウォールストリートジャーナルが中国のハッカー部隊の全貌をあばく記事を掲載した(2014年7月9日)。

電子スパイの本拠は中国人民解放軍総参謀部三部である(以下「3PLA」と略す)。

この機関は大使館、主要企業、マスコミ支局などの通信を傍受しており、とくに上海の郊外では米国との海底ケーブルによる通信をまるまる盗んでいる。

ケリー国務長官は外交上タブーとされる「盗む」という語彙を使用した。

3PLAの構成はおよそ10万人とされ、語学の専門家に加え、コンピュータ技師、通信暗号解読専門家、数学者らが地域ごと、分野ごとの任 務を分担している。

すでに知られているが、この3PLAのハッカー部隊の本部は上海にある軍事施設で通称「61398部隊」と呼ばれるが、総参謀部3部2局が 主管し、米国が先般起訴した中国人5人は、この部隊の所属で、「総参謀 部3部2局3処」(通称61800部隊)である。

中国はスパイの存在さえ認めず米中対話は一切の合意がなく散会した。これで米中関係がぬきさしならない対立構造にあることが浮き彫りになったといえる。

     
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