2014年07月16日

◆「核」が日中開戦を抑止する(54)

平井 修一


JBプレス7/4の、現代史研究家・ジャーナリストの水間政憲氏と、衆議院議員(自民)の中山泰秀氏の対談を紹介する。とても勉強になった。
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*円借款を踏み倒した中国が商船三井に損害賠償を求める不思議

中山 国会では集団的自衛権の行使容認をめぐる与党協議が大詰めを迎えています。

毎日新聞が実施した世論調査によると、集団的自衛権を行使できるようにした場合、「他国の戦争に巻き込まれる恐れがある」と回答した人が71%に上ったそうですが、これについてどう思いますか。

水間 本当は「戦争に巻き込まれないための集団的自衛権」であり、毎日新聞にもその発想はあるはずなんです。にもかかわらずそれを報道しないのはおかしいと思いますね。

フィリピンの事例を見るとよく分かります。かつてフィリピンから米国が撤退した後、ほどなくして南沙群島のミスチーフ環礁が中国に占拠されてしまいました。この例からも日本は、集団的自衛権と日米安全保障条約を一体のものとして考える必要があります。

中山 南シナ海ではベトナムと中国も領有権をめぐって対立しています。中国はこの海域を確保することで、米国本土に対してミサイルの威嚇ができるようになるため、何としても奪取しようとしている。また、中国はゴビ砂漠に軍事基地を設立し、ミサイル発射実験を行っているという情報も耳にします。

こうした周到な準備を進めているのを見ると、日中の友好関係も大事ですが、彼らが片手で握手をしながらもう片手に包丁を持っていることも忘れるべきではありませんね。

水間 自国に利益があると判断したら、たとえ机の下で蹴り合っていても握手を求めてくるのが中国なんです。今後は、中国との経済的な結びつきを徐々に弱めていくことも日本にとって1つの安全保障と言えるのではないでしょうか。

以前、戦後補償をめぐる中国の損害賠償訴訟で、日本の商船三井が上海海事法院(裁判所)に約40億円を供託金として支払いました。船舶の貸出契約は日中戦争前の1936年であり、中国側は対日賠償請求の放棄を盛り込んだ日中共同声明には反さないと主張しています。

では中国は、1933年に日本が貸し付けていた総額約10億円(現在の約3兆円相当)の円借款を踏み倒した事実を、どう説明するのでしょうか。

財務省に確認したところ、その円借款は戦争のドサクサでうやむやにされ、取り返していないそうです。すなわち、日本は中国から正式に取り返せるお金が少なくとも3兆円あるということです。このあたりの内容は『ひと目でわかる「大正・昭和初期」の真実1923-1935』にも書いていますので、ぜひご一読いただければと思います。

1933年に反日官制デモが起きた時と現在の状況はよく似ています。中国向けの円借款の残高は現時点で1兆6000億円ほどありますが、もし今、何か衝突が起きたらそれらはすべて空中分解してしまうかもしれません。それに戦前の例で考えると、デモによって資本を投下したインフラや民間企業などは中国に強奪されかねないと思います。

*一人っ子政策で育った中国の軍人に戦う精神はあるか

中山 集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈変更は、7月1日にも閣議決定がされる予定です。公明党は地方組織代表者の意見を聞く会合を党本部で開いたところ、慎重論が相次いだと報じられていますが、中国がこれだけ脅威となっている今、時間的な猶予は少ないように思います。

水間 中国や日本の一部マスコミがおかしいのは、この問題を靖国神社問題とすり替えていることです。思想的にも保守化だ、右傾化だ、などと言って。しかし、きっかけは2010年に発生した尖閣諸島中国漁船衝突事件であり、脅威となっているのは日本ではなく中国なんです。そこが完全にすり替えられている。

*ベトナムで過去最大規模の反中デモ、南シナ海での衝突に抗議

水間 南シナ海の西沙諸島近海で起きた中国との衝突をめぐり、ベトナムでは過去最大規模の反中抗議デモが行われた。

中国はベトナムの船舶が中国公船に1000回以上も衝突してきたなどと嘘の主張をしています。日本に関しても、自衛隊機が中国の軍機にわずか10メートルまで接近したと、ありもしないことを言ってきているのですから。

中山 日本ではほとんど報じられていませんが、6月26日から米海軍主催の環太平洋合同演習(リムパック2014)が開催されています。ここに中国海軍が米国に招待されるかたちで参加しているのですが、なぜ米国は仮想敵国と軍事演習を行う必要があるのか。

水間 思うに米国は、中国人民解放軍の力量をチェックするためにわざと招き、監視しているはずです。対立している国同士ほど、こうした軍事的な関係強化は大きな意味を持つのではないでしょうか。

海上に関して中国には実績も経験もありませんから、いざとなったら身を引くと思います。日清戦争の時も、数的優位にありながらそうでした。また、一人っ子政策の影響から、中国軍が本当に戦う精神を持っているかどうかは疑問です。

現に、中国で海洋監視船の船員を募集したところ志願者が集まらなかったそうです。一人っ子政策の後に生まれた子どもたちの多くは今頃現役の軍人になっていると思いますが、もし戦争などの危機的状況になった時に引くのはおそらく中国でしょう。

*中国の地図に記されていた「尖閣諸島」の文字

中山 歴史の研究には情報収集が欠かせないと思いますが、水間さんが大切にしていることは何ですか。

水間 情報には発信能力と受信能力の両方が必要です。情報戦にしても敵を知らなければ戦うことはできませんからね。敵国を知るには敵側の資料を使うのが一番なんです。

例を挙げると、『ひと目でわかる日韓・日中 歴史の真実』にも記しましたが、私が見つけた1960年に北京市地図出版社が発行した『世界地図集』には尖閣諸島が日本名で表記されています。

しかし、1969年から1970年に国連アジア極東経済委員会(ECAFE)の調査によって石油、天然ガス埋蔵の可能性が公表されると中国は尖閣諸島の領有権を主張し始め、中国の地図も改竄されました。

ところが、このECAFEの調査と同時期の1969年に中国政府が発行した地図では尖閣諸島が日本の領土として認められていたことが、外交雑誌「Foreign Policy」に掲載されているのです。

これは中国政府の公式地図ですから決定的な証拠です。もし外務省がホームページなどで公開すれば、日本は国際的に中国を追い込むことができるでしょう。彼らが尖閣諸島の次に狙っているのはおそらく沖縄本土ですから、危機感を持って備えなければならないと思います。(以上)
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尖閣については、外務省のサイト、
http://www.mofa.go.jp/files/000018519.pdfに1958年の中国政府の公式地図が載っている。

白を黒と言うのは中共の常套手段であり、プロパガンダだから事実かどうかはどうでもよく、声が大きい方、力がある方が勝ちというわけだ。習近平は反日ナショナリズムを煽って、内政への不満をごまかしている。

ロシアの声3/12のアンドレイ・ラニコフ氏の論考「東アジア 記憶の戦争」から。

<東アジアには(歴史の現代活用について)独自のルールと法則が存在し、残念ながら、それは第一次世界大戦以前の欧州で見られたものと似通っているともいえる。もう過ぎ去ったことが現在の政治プリズムを通じて云々され、疾風のような愛国感情を巻き起こすのである。

東アジア諸国においては韓国にせよ、中国にせよ、ベトナムにせよ、ナショナリズムが公式イデオロギーにおいて重要な役割を担っている。高句麗の歴史を巡って最近激しい論争があったように、中国と韓国の間には多くの矛盾が存在している。

ただし、ナショナリズム高揚の材料として中韓両国で共通しているのは日本を悪者扱いしているという点である。

2014年1月、ハルビンでは小さな記念碑が設けられた。これはもう百年以上まえの1909年、安重根が明治元勲の一人である伊藤博文を暗殺した事件を記念するものである。

安重根は韓国でも北朝鮮でも同じく国家的英雄と考えられてきた。韓国は長年にわたってハルビンにおける記念碑設置を求めてきたが、中国はあまり乗り気ではなかった。

第一に最近にいたるまで中国は日本との関係を悪化させることを望んでいなかった。第二に政府高官が武装民族主義者に攻撃されるという事件自体、あまり中国の歓迎するものではなかった。ウイグルやチベットに第二の安重根が出てくることは中国政府が望むことではないからだ。

しかし2014年1月には一転して、ハルビンに安重根のメモリアルが作られ、おそらく韓国人観光客らの人気スポットとなるだろう。

この背景にあるのは日中関係の悪化があり、中国は韓国を味方につけようとしているのは理解できる。特に、韓国は日本と同様に米国の同盟国である。米国は中国の主要な地政学的ライバルだ。東アジアにおいてはこのように歴史が政治的手段のひとつとなる。

多くの場合、ナショナリズム感情というのは実際の地政学的利害の前には意味を成さないが、東アジアにおいては一見たんなるシンボリックな行動であっても、現実的に大きな政治的意味をもつことがある。

2月末、中国政府は南京で朝鮮人慰安婦が働かされていた場所にメモリアルを設ける予定だ。これは決して人道的な考慮によるものではなく、政治的行動であることを忘れてはならない。第二次世界大戦の終わりは未だはるかかなたと言えそうだ>(以上)
・・・

火は吹かないけれど日中戦争は始まっているとも言える。「ウイグルやチベットに第二の安重根が出てくる」、そして習近平を射殺するだろう。そうなれば戦争への流れは変わるはずだ。出でよ安重根!(2014/7/13)
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