2014年07月28日

◆外資たたき? やらせ?飛び交う陰謀説

矢板 明夫


期限切れ鶏肉問題 

中国上海市にある食肉加工会社「上海福喜食品」が7月中旬、マクドナルドなど外資系大手ファストフード店に期限切れの肉を使用した商品を供給していたことが中国メディアに報道され、食の安全問題への関心が一気に高まった。

中国国内のインターネットに「もう何も食べられなくなった」といった不安の声が多い一方、「食の安全問題で外資系だけがクローズアップされるのはおかしい」「政府の陰謀かもしれない」といった意見も寄せられた。

一連の不正が明るみに出たのは「上海福喜食品」の従業員の内部告発がきっかけだったという。上海市のテレビ局のスタッフが同社の臨時従業員として3カ月に亘って潜入取材し、半月近く過ぎた鶏肉や鶏皮を混ぜて出荷したり、床に落ちた鶏肉を肉棚に戻したり、期限を7カ月も過ぎた牛肉を使っていたなどの衝撃の映像をカメラにおさめた。

上海福喜食品は米国の食品卸売会社OSIグループの中国法人で、マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン(KFC)など多くの外資系大手ファストフード店に食用肉を供給していた。

これらの企業は「慶豊包子」などの中国の民族系ファストフード店と比べて、値段は高いが、食品安全問題で良好な企業イメージがあった。都市部の若者などを中心に人気を博し、近年中国で営業規模を拡大させている。

今回の上海テレビの報道を受けて、インターネットでこれらの企業に対する非難が殺到した。「中国人をばかにしているのか」「外国系企業を中国から追い出せ」といった書き込みが多く寄せられた。

しかし一方、テレビの潜入取材の映像があまりにもきれいに取れていることから「これは盗撮ではなく、やらせではないか」といった意見もみられた。

また、上海福喜食品は中国人が経営する大手レストラングループ「小肥羊」などにも商品を提供しているのに、中国メディアはほとんど伝えなかった。

さらに、テレビニュースの中に「だから外国資本の企業は信用できない」「これからは中国の店を使いたい」といった街頭で取材した市民の声を繰り返して流していることから、「目的は外資系たたきではないか」と推測する声多かった。

「中華民族の偉大なる復興」を政権スローガンにしている習近平政権は外資系企業が中国で影響力拡大に対する不満が今回の調査報道の背景にあったと分析する意見もある。「外資系の店の食べ物は問題あるかもしれないが、民族系企業と比べたら、はるかに安心できる」といった意見も多かった。              (中国総局 矢板明夫)
産経【中国ネットウオッチ】2014.7.27


    
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