2014年08月06日

◆朝日の「慰安婦誤報」は確信犯的

杉浦正章




国会は検証に乗り出すべきだ


一報道機関の誤報がこれほど国の信用を傷つけ、おとしめた例があっただろうか。


誤報に基づき強制連行を詫びた河野談話が作られ、誤報に基づき「性的奴隷制度」と断定した国連報告が発表され、誤報に基づき慰安婦像が米国各地に建造されている。しかも朝日新聞の報道は意図的であり恣意的であり、故意に史実を曲げた誤報であった。


その誤報を5日と6日の紙面で認めながら朝日はなお「自由を奪われた強制があった」などと主張、強制連行の本質を、慰安婦一般の問題にすり替えようとしている。まさに確信犯的誤報の実態を露呈していることになるが、「読者の皆様」への記事取り消しですむ話だろうか。


国際的に取り返しのつかない問題に発展しており、青少年の日本国民としての自信喪失ダメージは大きい。自民党幹事長・石破茂が国会での検証を唱えているが、是非実現してもらいたい。国際的な発信も不可欠だ。


大誤報の核心は2つある。1つは1982年から文筆家・吉田清治の「済州島で慰安婦狩りをした」とする生々しいねつ造記事を繰り返し16回にわたって報道してきたが「吉田氏の証言は虚偽だと判断し記事を取り消す」としたことだ。


自民党総裁・安倍晋三が2012年の党首討論で「朝日の誤報が吉田清治という詐欺師のような男の本とともにまるで事実のように広がった」と指摘したとおりの結果となった。


“詐欺師”に踊らされたか、分かっていて利用したかだが、これはあきらかに両方であろう。途中で“詐欺”と分かりながら32年間も訂正しないでおいたことからも明白だ。


もう1つは、もともと関係のない工場などに動員された「女子挺身隊」を「慰安婦」と断定して繰り返し混同した記事を掲載したことだ。


これについて朝日は、「当時は、慰安婦問題に関する研究が進んでおらず、記者が参考にした資料などにも慰安婦と挺身隊の混同がみられたことから、誤用した」と誤報の経緯を説明した。


しかし歴史を少しでもかじった者なら女子挺身隊が勤労動員であり、「研究が進んでいる、いない」の問題ではないことが分かる。慰安婦に結びつかないことは誰でも分かる事であり、「挺身隊」という名前だけで卑しい想像を働かせた記者と、その記事の掲載を認めた編集幹部の意図的姿勢はまさに確信犯的である。


こうして報道史上最大の誤報事件が確定したが、問題は読者へのおわびで済む領域を越えている。朝日の報道を真に受けた国益毀損の事態をどうするかだ。


朝日は首相・宮沢喜一訪韓の直前に「挺身隊の名前で連行された女性は8万とも20万人ともいわれる」と報じたが、対韓外交に大きな影響を及ぼした。宮沢内閣は浅慮にもまともに朝日の報道に乗ってしまったのだ。


そして1993年の官房長官・河野洋平談話へとつながるのだ。河野談話は「強制連行は確認できない」が基調であったが、河野は愚かにも記者会見で強制連行の事実があったかと問われ、「そういう事実があった」と述べてしまったのだ。


河野談話は先に政府が実施した検証により首相や大統領まで加担した「日韓合作」の“すりあわせ”があったことと、その隠ぺい工作が明らかになった。これにより河野談話は事実上空文化の傾向を強めたが、朝日の誤報は同談話が紛れもなく空文化することを物語っている。


さらに朝日の誤報は96年の国連人権委員会のクマラスワミ報告にも引用された。無能な3流国際官僚で形成されている国連人権委員会のクマラスワミ特別報告者(スリランカ)は、報告書で、慰安婦制度が国際人道法に違反する「性的奴隷制」だと断定し、日本政府に「法的責任と道義的責任」があると主張したのだ。


この見解は韓国の米国内でのプロパガンダに使われ、日本軍が慰安婦を強制連行しレイプし続けたかのような誤解が世界中に広がる原因となった。政府は国連に対して報告書撤回と陳謝を要求すべきである。高額な分担金を負担していながら、国連のロビー工作は昔からなっていない。
 

石破が朝日の“誤報声明”について「非常な驚きを持って受け止める。いままでの報道は一体何であったのか」と指摘すると同時に「その検証は国益のためにも必要であり、検証を議会の場で行うことも必要」と述べている。


野党は共産党などが慰安婦追及の先頭に立っていたが、論拠が崩れて追及どころではなくなった。民主党や次世代の党などにも朝日批判は強く、国会での検証で与野党がまとまる可能性もある。朝日新聞関係者を招致して問題の解明を国会中心に行う必要があろう。


朝日は秘密保護法や集団的自衛権の行使をめぐっても無責任な“風評”報道を繰り返しており、慰安婦誤報はその編集方針の一角が現れたに過ぎない。国際社会に生じさせた誤解は甚大なものがあり、本当に反省するなら、国会の検証に協力し、国連や関係国に向かっても「おわびと訂正」を行うべきであろう。


      <今朝のニュース解説から抜粋>  (政治評論家)
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