前田 正晶
そんなことで済む事態ではないと考えておきたいのだ。
私は今年の4月から消費税を8%に引き上げられる前には、その結果というか吉と出るか凶と出るかを全く予想出来なかった。心中密かに明らかに二択の問題で、何れを選ぶかと訊かれれば悲観論だろうという程度に考えていたが、書かなかった。4〜6月期には明らかに反動があったし、便乗値上げも散見されたし、外税表示にも悩まされ、買い気を削がれたこともあった。
昨13日も何気なく見たPrime Newsでは第一生命経済研究所の長濱氏が言うべき事をハッキリ言わない姿勢の維持に懸命ながら、来年の10%への引き上げは法律になっているが延期した場合に世界がどのように評価するだろうかという表現で、延期説を唱えていたように聞こえた。
確かに、円が¥102を巡って細かく動いていても一向に輸出が伸びたとは聞こえてこないし、さらには政府内部で「住宅と自動車が・・・」の声があるともテレ朝が報じる始末だった。
悲観論者としては「自動車と住宅が」は容易ならざる事態だと思わずにはいられない。それは、もう30年近くも唱えてきた(正確にはW社の知名なエコノミスト、リン・マイケリスに教えられた)。
「アメリカの景気の二大バロメーターは住宅着工と自動車の販売」を基にしているのだ。余計な説明だが、「「家が建てば関連の多種の製品の需要が喚起され、自動車沢山作られれば関連産業が活発化する」という解りやすい単純な理屈だ。
我が国で今「住宅と車が」という実態があるならば、アメリカの例から見てもかなり好ましからぬ方向に進んでいるのかと疑いたくなる。7〜9月期の話しだが。この状態から抜け出す手段は数多く考えられるが、私はごく単純に「経営者たちがどれほど勇気をふるって給与の引き上げを実行出来るか」が大きな問題だと思って見ている。真っ向から言えば「やるだけの度胸があるのか」との疑問である。
次は「安倍内閣が如何に風評と戦って、何のためにあるのかが不明な規制委員会を改心させて原発を再稼働させて、足元を見られた売値で苦しむ電力会社と料金値上げを食い止めるのか」、「建設関係を中心にした働き手の不足を解消する手を打てるのか」、「エネルギー源の輸入で潤っている商社以下の業者を如何にしてより一層輸出に注力させられるか」辺りも対策ではないだろうかと密かに考えている。
TPPも気懸かりだ。未だに合意点を云々などと言っている。アメリカを始め白人国が「妥協点を探ってくる」とか「妥協する気で交渉の席につく」のはあり得ないことであり「話せば解ってくれる相手ではない」という考えを捨てることだ。それにどうしても笑いたくなるのが「米の輸入が増える」という農協だかJAだか知らぬが、未だにそういうことを論点にしている姿勢だ。
カリフォルニア米を考えてみよう。あの我が国よりも面積が広い州のほぼ全土が深刻な干魃に苛まれ水田には水がないことは、一寸でもこの問題に関心があれば知っていることだろう。
即ち、今年の彼の地の米作は大不況だ。その苦境を振り切ってまで「日本に行けば関税も引き下げられて沢山高く買ってくれる」と思い込んで即刻売りに来るか。現地には米食の中国人と韓国人が増えまくっているのだ。韓国人が営む和食も流行っているという。
現地の需要を見切って、良い国である我が国に売りに来るか、妥結した後で。あれほど弱った水田をどうやって復活させ、その後に日本に売りに売りに行くことをどうやって正当化するのだろうか。
しかも、我が国では今月の11と12号台風で関西方面では農業に深刻な痛手を被っている。米作がそのために不調になり供給不足の事態になればどのように対処するのか。カリフォルニア米は頼りにできない事態だろう。
TPPでは農業が危機に瀕するなどと何時までも観念的なことを言っていないで、世界の実態をチャンと伝えるのも、虚偽の報道を続けて国を貶めるよりも重要な仕事だろう、朝日新聞以下の新聞さんよ。
消費税問題も観測記事や「専門家」のどっちつかずの解説ではなく、自社で緻密に調査して信念で語る記事を載せてはどうだ。安倍内閣の右傾切で似非左翼勢力(と韓国と中国)に与するのは好い加減にしたらどうだ。