2014年08月20日

◆言論の自由、割れる韓国

名村 隆寛


引用元の朝鮮日報は「口頭注意」のみ

【ソウル=名村隆寛】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉を毀損(きそん)した疑いで、産経新聞の加藤達也ソウル支局長(48)に対する検察当局の事情聴取が18日、行われた。韓国で記事をめぐり外国人記者が捜査対象となるのは極めて異例。

大統領に関する報道の自由はどこまで許されるのか、市民団体の告発とはいえ権力による言論の自由への介入を認めていいのか−。韓国でも当局の動きを問題視する見方が出ている。

加藤支局長が出頭したソウル中央地検前には、日本や韓国の報道記者40人以上が押し寄せ、関心の高さをうかがわせた。韓国では今回の問題を機に、大統領に対する報道、言論の自由のあり方をめぐり議論になり始めている。

「韓国憲法は言論と表現の自由を保障しているが、他人の名誉を毀損し、人格を冒涜(ぼうとく)する自由までは許されない」(東亜日報)

加藤支局長のコラムに対し、韓国ではこのように、報道の自由の“限度”を強調する論調が少なくないのは事実だ。ただ、「寛大に見ても正道を外れた報道だ」と批判する文化日報も、一方で「市民団体の告発を機に、メディアと記者に対する検察の捜査が一挙に進められるのは、手順に無理がある」と捜査のあり方を問題視するなど、韓国メディアも揺れている。


今回の問題で韓国大統領府は、加藤支局長がコラムの中で主に引用した朝鮮日報に対しては、口頭による注意にとどめており、国内メディアと海外メディアへの対応の違いを疑問視する向きも少なくない。

ミャンマーで9日に行われた日韓外相会談の際、岸田文雄外相が「報道の自由の観点からの憂慮」を韓国側に伝えたが、ハンギョレ紙は当時、現地にいた日本の記者の発言を紹介。「記事で特に問題となった部分は朝鮮日報のコラムを引用したもの。なぜ朝鮮日報を問題視せず、産経新聞にだけ法的措置をとるのか」との言葉を引いて、対応の不公平さを指摘した。


一方、京郷新聞は「大統領と政府が訴訟で応じるのは、国家権力に対する正当な監視活動を萎縮させる」とした法律学者の見方を紹介している。

この学者は1975年に作られた大統領批判を禁じるための「国家冒涜罪」を例に、「名誉毀損が乱発されれば、国家冒涜罪があった権威主義の時代のようになる」と警告している。産経ニュース2014.8.19
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック