2014年08月22日

◆独禁法、国有企業にもメス?

河崎 真澄


習政権、新たな権力闘争のシナリオも

【上海=河崎真澄】中国政府は自動車をめぐる独占禁止法違反の事案で、日本企業12社以外にも、欧米系フィアット・クライスラーの「クライスラー」、フォルクスワーゲン傘下の「アウディ」など欧米メーカーも制裁しており、さらにダイムラー「メルセデス・ベンツ」や、日本の完成車メーカーも調査している。


昨年1年間で2198万台の新車が販売された世界最大の自動車市場を抱える中国。だが、このうち乗用車1793万台の60%近いシェアは日米欧など外国ブランド車で占められた。中国の国産メーカー車は安価な大衆車が大半だった。

このため、依然として中国メーカーが存在感を確立できていないことに習近平政権はいらだちを感じており、業界関係者は「独禁法と倹約令で外国ブランド高級車への“外資たたき”を行い、国産メーカーを保護している」とみる。中国資本の傘下にあるスウェーデン「ボルボ・カーズ」がヤリ玉に挙げられていないことも、根拠のひとつだ。


一方、「むしろ独禁法を振りかざして、まず自動車業界でどこまで切り崩せるか試し、習政権は今後、石油や電力、通信など既得権益層が抵抗勢力となっている独占業界との権力闘争に挑むのではないか」と上海の有識者は話している。

独禁法施行から6年と経験の浅い中国。欧米事案も参考にしながら、外資たたきで消費者の“留飲”を下げて実績を作りつつ、国有企業による市場寡占や価格決定プロセスの不透明さが続く“本丸”の業界に「改革」と称し、集権を狙う習政権が切り込む権力闘争シナリオも見え隠れする。

習政権は昨年秋の中国共産党の重要会議、第18期中央委員会第3回総会(3中総会)で「独占と不正競争に反対する」との方針を決定ずみ。7月末には最高指導部元メンバーで、石油閥のトップだった周永康・前党中央政法委員会書記の汚職事件の立件を公表。独占体質の石油業界解体が今後の注目点となっている。


そもそも「独占市場だらけ」の中国。消費者保護を口実に独禁法が政治の道具ともなれば、市場経済が混乱に陥る恐れもある。産経ニュー卯【中国「外資たたき」】2014.8.21


   
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