2014年08月30日

◆Home leave の期間は何を

前田 正晶


アメリカのビジネスマンは4週間をどのように過ごすのか:

"home leave" とは「アメリカ本社から日本に転勤してきた者に与えられる交通費会社負担の有給休暇制度である」と先日解説したばかりだ。我が国の会社における休暇と比較すれば違い過ぎると思うし、同じ事務所の中からそのように長期間オフィスを空けてしまう者がいると知った時には、些か驚かされたのだった。簡単に言えば、優雅だなと言う前に「アメリカの会社って意外に温情的だな」と感じた。

我が国の会社に17年間勤務した経験がある私には「それが正当な権利であっても、随分と度胸がある人たちだな」と感心していたし、それでも見ている限りでは仕事の面ではさして問題を生じている様子がなかったのも「凄いものだ」と寧ろ尊敬さえしていた。

そこで一度、カリフォルニア州出身の日系人に「それほど長期間オフィスを空けても何でもないのか」と思い切って尋ねてみた。この表現ではかなり不躾な訊き方に聞こえるだろうが、実際にはチャンと "May I ask youa question?" から入っていったのだった、念のため。また英語の講釈だが、ここでは "Would you mind, if I asked you a question?" でも良いだろう。

その答えには「なるほど、そういうことだったか」と思わせる点があった興味ある内容だった。即ち、彼は「最初の1週間は東京に残してきた仕事と進行中の引き合い等の全てが非常に気懸かりで、安心して休んでもいられないのだ。2週目に入ると徐々にそういう心配が消えていき、休暇を楽しもうという心理的な準備が整ってくる。

3週目ともなれば気分爽快で、何もかも忘れて海に山に都会にという具合で休暇を満喫するようになる。誠に楽しい1週間となって、帰ったら思い切り仕事に打ち込もうなどと瞬間的に考えている時すらある。そして、毎年のように4週目に入ると何としたことか無性に『速く東京に戻って仕事がしたくなる』と思い始めて東京が恋しくなるのだった」と語ってくれた。

この答えに対しては、我々が先ず絶対と言って良いほど経験出来ることではないので、「なるほど、さようで御座いますか」と言って承るだけしか出来ないのだ。しかし、聞いていると「"home leave" とはそういうためにあるのだったか」と納得したのだった。

既に述べたことだが、彼は必ずしも夏場に休むとは限らず、また、故郷のカリフォルニア州だけではなく、ハワイに行っていたことがあったと記憶する。

私は「このような休暇制度は何事も個人が単位であるアメリカだからこそ出来るのかな」という疑問を感じたことがあった。それは、我が国の会社では皆がともに一つの課なり部なりの単位でで纏まって仕事を推進しているのであって、誰か1人が休めば残った人たちが全員で補っていくという精神があるので、「彼の仕事に迂闊に手を出して何か失敗でもしたら」というアメリカ式な考え方はないと経験したから、言うのだが。

しかし、現実には4週間の寛ぎの休暇を取ると誰かが申請した場合に「それは結構なことだ。後は皆で面倒を見るから心配せずに楽しんでこい」となるとは考えられないのだが、如何なものだろうか。矢張り、この辺りに「日米間のビジネスの世界における文化の違い」があるという、私流の月並みな結論に達してしまうのだが。


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